愛知県産業労働部は、2018〜19年度で、09年度に閉館した産業貿易館西館の取り壊し工事を行う。県議会9月定例議会に契約を諮ることを目指し、工事の公告に向けた手続きを進める。工事と並行して、取り壊し後の跡地の活用について、全庁的な会議の場を設けて引き続き検討していく。
取り壊す建物の規模は、鉄筋コンクリート造地下4階地上11階建て延べ2万3495平方b。総合評価の一般競争入札で発注する。工期は17カ月を見込む。取り壊しの設計は、安井建築設計事務所名古屋事務所(名古屋市東区)が担当した。
同部は18年度当初予算で取り壊しの費用として1億1695万円を計上した他、11億0552万円の債務負担行為を設定している。
産業貿易館の所在地は名古屋市中区丸の内。名古屋城の正門から南に延びる本町通と、城の外堀沿いを東西に伸びる外堀通の交差点に立地した。国・県・名古屋市などの庁舎が集まる官庁街に近く、展示会や商談会などに活用されていた。名古屋駅前に建設した愛知県産業労働センター(ウインクあいち)に機能を集約したのを機に09年度に閉館した。本館と西館で構成し、本館はJR東海(名古屋市中村区名駅1ノ1ノ4)に売却。同社がリニア中央新幹線の変電施設の建設を進めている。
今回取り壊す西館は74年5月に設置。使い続けるためには耐震改修や設備の改修が必要となり、多額の費用が見込まれることから建物を取り壊し、跡地の利活用を検討していくことにした。敷地面積は2956平方b。
提供:建通新聞社