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西日本建設新聞社
2018/05/16

【熊本】本紙コラム「大観望」

 今度の日曜日、新天門橋(仮称)が開通する。熊本地震で1年ずれ込んだこともあり、待ちに待った供用開始だ。50数年前に架けられた天門橋(通称天草1号橋)とは趣を異にしており、新旧両橋の対比が天草の新しいビュースポットになりそう▼私が新天門橋を最初に取材したのは、2007年3月から始まった技術検討委員会だった。航路を跨ぐ長大橋で難易度が高いため、専門家らが集まり、構造、施工技術から意匠、ライフサイクルコストに至るまで、2年以上にわたって議論したのを覚えている▼それからおよそ10年。先日、工事を指揮した横河ブリッジの中東剛彦さんに話を聞くことができた。「現在の橋梁技術の粋が集まっている。これだけの橋はもうないかも」と誇らしげ。私と同世代の旧橋は「しっかりメンテナンスすればあと50年、100年は大丈夫」と聞き安心した▼2年前の地震の時、長引く余震でおよそ1カ月間、現場が完全に止まった。その間技術者たちは、被災した九州自動車道へ駆け付け、損傷した橋梁の応急復旧にあたっていたという。ここにも国土を守る建設業の姿があった。(見)

提供:西日本建設新聞社
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