石川県の18年度6月補正予算編成に係る知事裁定が14日、商工労働部から始まった。
当初予算は知事選挙の関係により、準通年型編成で、政策的な意味合いが強い事業は6月補正予算に先送りされた。谷本正憲知事は記者団を前に「今回の予算を編成することで、18(平成30)年度に県がどういうことをやろうとしているのか、全貌を示すことができる。県民の皆さんに評価して頂ける内容のある予算に仕上げる」と語った。
今春で丸3年が経過した北陸新幹線金沢開業にも触れ、「開業効果をさらに持続させていく。幸い5年後には敦賀開業も実現し、第2の開業効果を最大限引き出すため、実行プランの策定にそろそろ取り掛かるべき」との認識を示すとともに、「来年はラグビーワールドカップ、2年後には東京オリンピックが開かれ、海外誘客の大きなチャンスが到来。海外誘客100万人構想を掲げ、実現に向けて大きく前進させるため、その手当てをしっかり講じていくことが大事」とも話した。このほか、「県政の基本中の基本は県民の皆さんの安全安心。防災対策、少子化対策にもきめ細かく対処したい」とした。
県庁庁議室で開いた知事裁定では、徳田博商工労働部長が日銀金沢支店の景気判断や、県内における鉱工業生産指数及び製造品出荷額、有効求人倍率の推移など示した上で、「本県経済にかつてない勢いがある中、今を更なる成長の機会と捉え、前向きな取り組みに挑戦する中小企業を一段と後押しする必要がある」と強調。この勢いを持続、発展させるため「意欲ある中小企業の新製品開発など新事業展開の加速化に向けた支援」、「AI・IoT導入による中小企業の生産性の向上に向けたきめ細かな支援」などを求めた。人材確保対策では「これまで取り組んできた各施策を深堀りしていく」と説明し、谷本知事は「企業の生の声をしっかり聞き、企業のニーズにあった人材確保対策、生産性向上対策をきめ細かくやっていくことが重要。県の対策が企業ニーズとミスマッチを起こしては何にもならない」と述べた。