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建通新聞社(東京)
2018/05/15

【東京】都 マンション管理の報告・届け出義務化へ

 東京都都市整備局はマンションの管理適正化に向けた取り組みの一環として、1984年1月1日以前に完成した6戸以上の分譲マンションを対象に、管理組合や規約の有無、設計図書や修繕履歴などの報告・届け出を義務付ける方針を固めた。5月14日に開いた有識者による検討会に取り組みの方向性を示し、一定の理解を得た。同検討会での議論を経て年度内に制度の詳細を固める。
 都内には約181万戸のマンションがあり、その数は全国の約4分の1、東京の総世帯数の約4分の1を占めている。しかし、建物と居住者の「二つの老い」が進行し、管理上の問題が増加している。管理組合による自主的な取り組みだけでこの課題に適切に対処するのは難しく、適正に管理されていないマンションの増加は、居住環境の悪化に加え、防災・防犯・衛生など地域の生活環境や市街地環境に悪影響を及ぼす可能性が指摘されている。
 こうした状況を踏まえ都は、管理不全の予防・改善に向け、管理組合の機能強化のためにより踏み込んだ施策が必要と判断。マンションの管理状況を適切に把握し、それに応じて助言や戸別訪問支援などに取り組む方針を打ち出した。
 この一環として、マンションの管理状況を把握するため、84年1月1日以前に完成した6戸以上の分譲マンションの管理組合に、管理状況の報告(届け出)を義務付ける。
 対象とするのは、都内の分譲マンション約5万3000棟の26%に当たる約1万4000棟。管理不全の兆候として▽管理組合▽管理規約▽管理費▽修繕積立金▽大規模修繕工事―などの有無を確認する。管理を適正に行う上で欠かせない▽設計図書▽修繕履歴▽長期修繕計画▽滞納対応・滞納処理方法▽区分所有者名簿▽耐震化の状況―なども調べる。
 管理状況は変化するため、5年程度の定期的な報告または更新期間の届け出とし、未報告(届け出)のマンションには督促や指導を実施する。制度施行後、報告(届け出)の状況を踏まえ、対象とするマンションを拡大していく。

提供:建通新聞社