富山市が12(平成24)年度から工事を進めてきた「松川雨水貯留施設」の竣工式が12日、富山国際会議場で関係者ら約70人が出席して開かれた。
式では、あいさつに立った森雅志市長が「中心市街地周辺の約277ヘクタールでは、雨水と汚水を同じ下水道管で処理する合流式下水道方式が採用され、近年の局地的な集中豪雨時には十分な雨水が受け入れられず浸水被害が発生するほか、松川に未処理の排水が放流されるなど、抜本的な対策が必要だった」と経緯を説明した上で、「浸水被害の軽減と松川の水質保全を目的に平成24年度から整備に取り組み、このたび完成した松川雨水貯留施設が、これまでの課題を大きく改善してくれる」と期待を寄せた。続いて来賓の森岡泰裕国土交通省水管理・国土保全局下水道部長、村上和久市議会議長、水口功県土木部長が順に祝辞を述べた。事業概要を紹介する映像が流された後、除幕式として関係者が完成パネルを披露した。
松川雨水貯留施設は、松川の水質保全と中心市街地における浸水被害の軽減や解消を目的に建設。松川貯留管(φ5000〜5400ミリ)は、旧図書館本館南側を起点に丸の内、旅籠町、一番町交差点を経て終点の西町交差点まで、1069メートルにわたり地下約11メートル以深をシールド工法で掘り進んだ。貯留容量は約2万立方メートル。このほかに浸水対策導水管(φ1500〜1650ミリ)を409メートル、水質保全対策導水管(φ700〜2200ミリ)を811メートル、貯留水送水管(φ600ミリ)を626メートルにわたり施工。総事業費は約56億円。