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建通新聞社四国
2018/05/11

【徳島】徳島市の新体育館 年度末までに方向性

 徳島市は、2日付で有識者会議「市新体育館整備検討会議」を発足し、市役所で初会合を開いた。施設の老朽化や手狭で全国大会などの開催が困難な徳島町にあるとくぎんトモニアリーナ(現体育館)について、別地に移転する方向で検討を進める。市の厳しい財政状況から、市有地を活用した建設を考えており、当日は適地として中徳島町の旧動物園跡地と大和町の県立徳島東工業高等学校跡地(東工業高校跡地)を示し委員から意見を求めた。検討会議はあと3回ほど開催。市は並行して施設の利用団体などからアンケート調査を進める。順調なら本年度末までに新体育館の施設規模や候補地など方向性をまとめていく考えだ。
 検討会議では、新体育館を整備するに当たり、その規模や施設内容、建設候補地など必要な事項について意見をまとめる。委員は教育長が委嘱。大学や市の関係競技団体、市の学校教育・福祉分野の関係者など9人で構成する。当日は会長に徳島大学総合科学部の佐竹昌之准教授を選任し、議事に入った。
 議事では、現体育館の現状と課題について市が報告し、新体育館の整備検討を進める理由を説明。同時に現地での建て替えでは約3年間スポーツをする場所がなくなるなどの理由で建設候補地の選定も必要とし、新たな土地取得などの財政負担が伴わず、十分なスペースを確保できる利便性が高い市有地として旧動物園跡地と東工業高校跡地の2カ所を提示した。
 現体育館の規模は鉄筋コンクリート一部鉄骨造2階建て延べ5831平方b。1978年9月に完成した。耐震補強を2013〜15年度にかけて行っているが、観客席(固定席)が1550席と少ない上にエレベーターもなく、全国規模の大会を開催するためには競技場面積も含め手狭で、築約40年が経過し外壁・屋根・内装などへの損傷、また、大会の開始時に駐車場が現状の120台では不足しているなどの課題もあり、以前から新たな体育館の整備が求められていた。
 市が示した候補地のうち、旧動物園跡地の敷地面積は約1万8879平方b。現況は空き地など(一部公園)。市街化区域(第一種住居地域)で都市計画公園に指定されている。一方、東工業高校跡地は、敷地面積約2万8733平方b。現況はイオンモール徳島の第2駐車場で市街化区域(近隣商業地域)となっている。旧動物園跡地は徳島駅からは比較的近いが、国道11号へのアクセスが困難で、第一種住居地域の用途地域指定や都市計画公園の指定解除などが必要。また、東工業高校跡地は駅からは遠いが、十分な敷地はある一方で、敷地のうち約9927平方bが県有地といった課題もある。
 委員からは、全国大会の開催を可能にするなど、現体育館の機能面の課題を解消していく点については考えがほぼ一致したが、市が示した二つの候補地については、「子どもの利用面から駅から近い旧動物園跡地」とする意見や「身体障害者の利用や全国大会を開催するなら駐車スペースや交通便から東工業高校跡地」とする意見など、それぞれの立場から推す意見に分かれ、まとまらなかった。市は必ずしもこの2カ所の中で選定する訳ではないとしながらも、今後この他に十分な土地がなければ、これら候補地を中心に議論を深めていく見通しだ。
 市は今後、今回の意見などを整理した上で、利用団体などからアンケート調査を実施し、新体育館に必要な機能、施設内容をより具体化させていく考え。整備着手年度については未定としているが、今後、18度末までにあと3回ほど開催する同検討会議で施設規模や建設候補地など施設整備の方向性取りまとめを求め、順調なら19年度の整備計画策定を目指していく。

提供:建通新聞社