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建通新聞社四国
2018/05/11

【徳島】徳島県がPFI地域プラットフォーム形成へ 内閣府が支援

 徳島県は、国の支援を受けて本年度から「県PPP/PFIプラットフォーム事業」に着手する。PFI等に対する県内企業(特に建築関係企業)の積極的参画を促進するのが狙いで、7日付で内閣府から地域プラットフォーム形成支援の採択を受けた。今後、内閣府職員や同府が委託するコンサルタントからのサポートを受けて、市町村、金融機関、県内企業などで構成するプラットフォームを7月以降の早期に設立。年度末までにセミナーや勉強会などを開催し、PFI等のノウハウの取得や企画提案書の作成など実践面での競争力強化を図る他、継続的な運営体制の構築も目指していく。
 地域プラットフォーム形成支援は、地域におけるPPP/PFI案件の形成能力向上を図るため、行政や金融機関、企業、有識者などの関係者が集い、ノウハウの取得や情報の交換・共有を容易にする場(プラットフォーム)の形成や運営を内閣府が支援する取り組み。形成された地域プラットフォームでは、事例研究を通じたセミナーや勉強会の開催によるPFIのノウハウの取得の他、実践講座を開催し、企画提案書の作成や事業収支の分析、リスク分担の方法などを学び、案件形成能力の向上を図る。また、異業種間のネットワーク形成の他、行政にとっても民間からのアイデアや意見を得られる機会が生まれると期待されている。
 現在県では、建設費が10億円を超える大規模事業について、PFI手法の導入を検討する(県PPP/PFI手法導入優先的検討規定※)一方で、それ以下の県内企業が受注主体になる規模の事業についても導入を検討する(県内企業の参画促進のための実施指針※)ことにしているが、そのためにはPFI事業に及び腰な県内企業の参画促進を図ることが課題となっている。こうした考えの中、プラットフォームを形成し、県内企業に必要なノウハウを習得してもらい、積極的な参画を促すことにした。また、市町村でも財政難の中、老朽化した施設の更新に対応する上でPPP/PFIの取り組みに今後転換することになるため、プラットフォームに寄せる期待は大きく、県内企業にとって看過できない状況にある。
 事業の所管は経営戦略部管財課(公共施設最適化担当室)。すでに県内市町村への参画は打診済みで、全市町村が参画する予定。今後は内閣府職員と同府が委託するコンサルタントのサポートを受けながら、この他の構成員の参画を募り、早期のプラットフォームの設立を目指すことにしている。
 県内企業については、今のところ、建築業者と建築に付随する設備業者(電気、管、空調)、建築設計事務所および設備設計事務所への参画を考えており、直接または関係団体を通じた呼び掛けを考えている。順調なら7月中にはプラットフォームを設立。年度末までに3〜4回程度のセミナーなどの開催を図ることにしている。
◇◆解説◆◇
<PPP/PFI事業における県の優先的検討規定と実施指針>
 PPP/PFI手法の積極的導入が全国的に加速する中、政府は地方公共団体に対しPFIの導入促進を図るため「優先的検討規定」の策定を求め、徳島県でも同規定を策定している。
 対象は建築物、プラントまたは利用料金の徴収を行う公共施設などで、整備などにかかる事業費(運営等事業費を除く)の総額が10億円以上の事業や単年度の運営などにかかる事業費が1億円以上の事業は、すでにPFI手法の活用が前提となっている事業や民間事業者の実施が法的に難しい事業、災害復旧事業といった緊急実施が必要な事業を除き、導入が検討されることになっている。
 一方で県内建設企業のPFI参画機会確保のため、県はこうした大規模事業以外(10億円未満)でも幅広く中小企業の参画を促す観点から、「県内企業の参画促進のための実施指針」を策定。その取り組みの一環で「県PPP/PFIプラットフォーム」を設置することにした。
 なお、実施指針には県内産資材の積極的使用のための実施指針も盛り込まれており、県内建設企業へのPFI参画を促しながら、県内産資材への積極的な使用も推進することにしている。

提供:建通新聞社