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北海道建設新聞社
2018/05/08

【北海道】自家発備え災害時も燃料を安定供給 住民拠点・中核SS

 災害時での石油製品の安定供給体制を構築するため、資源エネルギー庁が中心となって全国で整備を進めている住民拠点SS(サービスステーション)。災害による停電時でも地域住民の燃料供給拠点となるよう補助金を用意し、自家発電機の導入を石油販売業者に促している。2018年3月末現在、全国で1346カ所を数え、北海道は全給油所の10%程度に当たる236カ所となっている。
 資源エネルギー庁は16年4月の熊本地震を教訓とし、ガソリンスタンドの災害時対応能力を強化している。自家発電機の配備をメインとする住民拠点SSは、19年度をめどに全国8000カ所の整備を目指している。
 発電機は定格出力5・0kVAで、車両3台分の同時給油が連続6時間ほど可能。7・0kVAなら約21時間稼働でき、LED照明やレジ精算機にも使える。
 道内では中小規模の市町村を優先しているため、旭川や函館、帯広などでは未整備。主要地域のスタンド向けに整備しているのが「中核SS」だ。
 中核SSは自家発電設備や情報伝達装置を設置し、さらに地下タンクを増強したスタンドを示す。熊本地震による停電時は、中核SSが緊急車両に給油するなど重要な役割を果たした。道内には60カ所ほどある。
 中核SSが緊急車両や病院などへの燃料供給を前提とするのに対し、住民拠点SSは地域住民への給油をメインにしている。災害時に見受けられる、給油待ち車両の大行列などを緩和する狙いもある。
 業界では吸入ホースを地下タンクへ落とし、手動ハンドルを回して給油する緊急用ポンプもある。ただ人力のため、災害時などに詰め掛ける多くの車をさばくには、給油所スタッフの負担が大きい。その点、自家発電設備を備えれば通常通りに計量機を動かせるので、作業効率からもメリットは高い。
 18年度に自家発電機の導入を計画している上川管内のガソリンスタンド会社幹部は「災害時は皆が混乱しているので、店を開けること自体に不安はあるが、地域の人が困っているときこそ役に立ちたいと思い、導入を決めた」と話している。