トップページお知らせ >地方ニュース

お知らせ

地方ニュース

建通新聞社(東京)
2018/05/07

【東京】都 高尾・陣場自然公園管理運営計画で素案

 東京都環境局は「高尾・陣場地区自然公園管理運営計画(高尾・陣場ビジョン)」の素案をまとめた。自然環境の保護と利用促進を両立させるため、目指すべき姿を示すとともに、その実現に向けた取り組みとして、眺望の確保やユニバーサルデザインの導入など具体策を盛り込んだ。都民意見の反映手続きを経て今夏に計画を確定・公表する。
 高尾陣場自然公園は、高尾山周辺の明治の森高尾国定公園(面積770f)や八王子城山を含む八王子市丘陵部の面積4403f。1966年度に公園計画を策定しているが、自然的・社会的条件が大きく変わっているため、これらに対応し現状に適合した公園計画に見直す形で、新たな管理運営計画を策定する。
 目指すべき姿として「豊かな自然環境が保全されている」「高尾山薬王院有喜寺や八王子城跡などの歴史的・文化的な風致・景観が保全されている」「国籍を問わず子供から高齢者まで幅広い人々の快適で安全な利用が進んでいる」の三つを掲げ、これを実現するため@豊かな自然環境の保全A歴史的・文化的風致景観の保全B快適かつ適正な利用の推進C自然保護の普及啓発と環境学習の推進―を管理運営方針として定める。
 具体的な取り組みとして、明治の森高尾国定公園では、スギ並木やスギの大径木の保全、薬王院を中心とした社寺などの歴史的・文化的景観や参道沿いの歴史的景観の保全を行う。合わせて自然植生の景観を損なわない適切な樹木管理、放置され荒れた樹林の間伐や下草刈りなどを実施する他、電気・水道の設備機器といった良好な自然景観を妨げる施設の再配置、散在する廃屋や廃材などの速やかな撤去、風致景観に配慮した遊歩道の設置・歩道の整備などにも取り組む。
 都立高尾陣場自然公園では、カシワ林と草原景観を維持管理し、八王子城跡の歴史的景観を保全する。歴史的景観を妨げている施設の改修や廃棄物撤去も実施し、風致景観に配慮した遊歩道や歩道を整備する。
 いずれも指定された区域で一定規模以上の建築物の建築などを行う場合、景観計画に沿った建物配置や高さ・規模、形態・意匠、色彩となるよう誘導する。
 また、利用形態などに応じて地区内を▽自然歴史文化コアエリア▽歴史文化コアエリア▽アプローチエリア▽山林エリア―の大きく四つに区分し、それぞれ利用方針を策定するとともに、維持管理・施設整備の方針を定め、適切な利用と施設整備を促す。

提供:建通新聞社