川崎市は、市内に不足している優良な宿泊施設や保育施設の整備を促進するため、建物の容積率を緩和する制度の運用を見直した。優良な宿泊施設の整備を誘導するためには、「宿泊施設容積緩和制度運用指針」を策定。評価対象とする宿泊施設の水準を示すとともに、「総合設計制度の許可基準」による容積率の緩和の対象とした。
評価対象となる宿泊施設は、@客室総数50室以上で客室面積は原則、最低面積15平方b以上かつ2割以上が22平方b以上A国際観光ホテル整備法施行規則の基準を満たす施設(外国語による案内標識の設置、高齢者・身体障害者などが客室の利用を容易にする設備の整備など)B旅館業法に規定する「ホテル営業」「旅館営業」のための施設とした。これらの宿泊施設については、床面積の合計に相当する容積率を、前面道路の幅員が8b以上の場合は50%、12b以上の場合は100%を限度に割り増しする。
保育施設の整備を誘導するためには、一定の評価基準を満たす保育施設の園庭を、容積率を割り増しする基礎となる公開空地として新たに評価することにした。評価対象は、認可保育所、幼保連携型認定こども園、小規模保育事業所―など。園庭を公開空地に準ずる空地(地上面の場合は係数1・5、屋上の場合は係数0・8)として扱う。割り増しできる容積率の上限については従来の運用から変更はない。
この他、機能更新型高度利用地区については、「高度利用地区指定指針」に準拠しベースとなる割り増し擁壁率を定めた。具体的には、誘導用途が3分の2以上でプラス200%。さらに幅員5・5b以上の歩道に(歩道状空地を含む)に面して主たる出入り口を設ける場合などで50%割り増しする。
対象となる区域は▽現に都市機能の集積度が高い都市の中心的な役割を果たしている区域▽複数の鉄道路線など結接しているなど公共交通による利便性を備えた立地条件である区域▽4車線道路や駅前広場などの高水準な基盤施設などが備わった、十分な歩行者ネットワークで接続する区域とした。
提供:建通新聞社