北海道建設新聞社
2018/04/26
【北海道】「地域振興の提案重視」7空港民間委託の募集要項公表
国土交通省は25日、道内7空港一括民間委託の募集要項と優先交渉権者選定基準を公表した。公募型プロポーザル方式で、第1次審査の書類提出期限は8月16日。2次審査を経て2019年7月ごろに優先交渉権者を選定する。運営権対価に関する配点は第1次審査で20.7%、第2次審査で20.6%に抑えたことで、運営権対価の額よりも地域振興に向けた提案が争点となるよう促す。
新千歳、釧路、函館、稚内の国管理4空港と道管理の女満別、市管理の帯広、旭川の7空港で、ターミナルビルなど非航空系事業と滑走路など航空系事業を一体的に運営する。事業期間は30カ年。民間資金と経営能力を活用し、各空港のマーケティング力の底上げや航空ネットワークの充実を目指す。また、地域と連携した広域観光の振興など、地域経済活性化を図る。
国管理空港の最低提案価格は年24億円の計720億円で、運営移行時に支払う一時金は1円以上。国管理空港は事業に必要な費用を原則運営権者が負担するが、地方管理空港は更新投資費用や運営費用を自治体が一部負担する混合型となる。
応募できるのは、単体企業か複数の企業で構成するコンソーシアム。08年以降に@延べ1万m²以上の商業施設か延べ2万m²以上の公共施設の運営実績A年間利用者数1500万人以上の旅客施設か延べ2万m²以上の貨物取り扱い施設の運営実績Bこれらの営業用不動産管理事業の実績が必要。実績の国内外は問わない。
第1次審査書類の提出期限は8月16日。9月ごろに結果を通知する。その後、19年4月ごろまで競争的対話を進め、同5月ごろを第2次審査書類の提出期限とする。7月ごろに優先交渉権者を選定。優先交渉権者は8月ごろに基本協定を結び、SPC(特別目的会社)を設立し、10月ごろに実施契約を結ぶ。
20年1月15日にビルの運営開始を予定。滑走路などを含めた運営移行は、同年6月1日に新千歳、10月に旭川、21年3月1日に残る5空港で始める。譲渡対象資産は各空港の運営事業開始日に譲り受ける。
第1次審査で3者まで絞り、競争的対話を含めた第2次審査で優先交渉権者と次点交渉権者を選ぶ。第1次審査は100点満点で、このうち国管理4空港の運営権対価に関する配点は20・7点で20.7%。第2次審査は事業方針などの全体パートと空港ごとに提案する個別パート、対価等パートの3つ合わせて350点満点で、国管理4空港の運営権対価の配点は72点で20.6%にとどめた。
地方管理3空港は地方公共団体の負担額に配点する。更新投資では、旭川市が総額99億7800万円、帯広市が総額63億700万円、道が総額109億1300万円を上限に定めている。このほか、運営費用も支払う。
審査委員会は10日に設置した。委員は19人で、委員長は山内弘隆一橋大大学院経営管理研究科教授が務め、石井吉春北大公共政策大学院教授、北海道空港協会会長の山口幸太郎千歳市長、道副知事らが参加している。
このほか、旭川、帯広、千歳、稚内、釧路、函館の各副市長と大空町長、旭川、帯広、網走の商工会議所の役員も入り、個別パートの審査を担当する。