県土整備部は「土木工事・業務の積算基準」を改定し、5月1日以降の調達公告から適用する。現場の実態を踏まえ「一般管理費等率」を引き上げるほか、交通誘導警備員は交代要員を含めた配置人数を必要日数に計上する。
積算基準は国交省の4月改定内容を準用。一般管理費等率は会社経費の最新実態を積算に反映させる。工事原価500万円以下で現行の20・29%から22・72%に改定。500万円を超えて30億円以下は「算定式」を変更する。
例えば工事原価2億円の工事は1%増加し、予定価格も1%程度上昇する。5000万円規模では2%程度上がって、予定価格ベースで約80万円アップする。30億円を超える工事原価の一般管理費等率は現行の7・41%から7・47%に引き上げる。
交通誘導警備員の積算基準改定では、官積算の計上額と現場で実際にかかった費用との乖離(かいり)を縮める。休憩や休息中も交通整理が必要な場合、交代要員の割増係数による積み上げを廃止。交代要員を含めた必要な配置人数を必要日数に応じて計上する。
これにより一昨年、共通仮設費の経費から直接工事費に組み入れた変更と合わせ、より実態に近づくものとみられる。
このほか、実勢価格を把握しづらい▽コンクリートブロック積み工▽橋梁塗装工▽構造物とりこわし工−3工種を市場単価から土木工事標準単価に移行。また、地質調査業務は、機械ボーリング関連と現場内小運搬の規格を細分化し、諸経費も見直す。
同部の積算基準は例年10月に改定していたが、県技術企画課は「現場の実態に即した基準を早く取り入れたい」と話し、5月から前倒して適用する。
日刊建設工業新聞