県教育庁は23日、「新県立図書館施設整備基本計画策定支援業務委託」の企画提案(プロポーザル)の募集を開始した。新たな県立図書館の整備に向けて、施設の建設場所や機能、機能別の必要面積、施設構成、整備スケジュール等を検討する。図書館は公文書館機能などを含んだ複合施設として整備する計画で、知識基盤社会における本県の「知の拠点」となる施設を目指す。
企画提案書の提出期限は来月23日まで。同28日に審査を行い、6月上旬に審査結果を通知する。来月7日には県庁中庁舎で説明会を開催する。
参加資格は、2018・19年度の県物品等入札参加業者適格者名簿(委託)に登載され、単独企業であることなど。ただし、業務の一部を協力企業等へ再委託することは妨げない。委託期間は19年3月29日まで。契約金額の上限は1500万円(消費税込み)以内。
同事業は、中央図書館(千葉市)、西部図書館(松戸市)、東部図書館(旭市)の県立図書館3館について、図書館機能の向上を図るため、1館に集約し、老朽化した中央図書館に替わる新たな県立図書館を整備する。
主な業務内容は▽施設全体の基本的な考え方の整理及び事例調査▽有識者会議の進行方法等の検討と運営支援▽建設候補地の選定に係る調査・分析▽施設・設備に係る検討▽整備事業に係る検討▽基本計画案作成の支援、など。
施設全体の基本的な考え方では、図書館機能、公文書館機能、博物館機能の収蔵機能を複合化することを仮定し、複合化に伴う利点や課題、スケジュール等を抽出したうえで、経費、行政の効率、県民の利便性などについて整理する。
建設候補地については、@施設利用者の利便性A景観、敷地面積、形状、高低差、敷地の法的条件等B周辺地域への景観面・環境面の影響C関係機関との連携D整備スケジュールや事業費への影響を調査し、2〜3か所の候補地を選定する。
施設・設備の検討では、必要諸室の面積や整備条件、配置計画、敷地利用計画などを検討する。
一方、整備事業に係る検討では、全体スケジュールを検討し、概算事業費を算出するとともに既存施設からの移転や開館準備にかかる課題について整理。併せて民間活用の可能性の検討に係る基礎資料等を収集・作成する。
同庁は昨年度で「県立図書館基本構想」をまとめた。基本構想では、現行の3館体制から1館に機能を集約したうえで、老朽化の進んだ中央図書館に替わる新たな図書館を整備することとした。基本構想の策定に当たり実施した「県立図書館の今後のあり方検討事業」は図書館計画研究所(東京都文京区大塚3―1―1)が担当。
なお、既存の中央図書館(千葉市中央区市場町11―1)は1968年の竣工。建物規模はプレストレスト・プレキャストコンクリート造一部RC造地下2階地上5階建て延べ6171・03u。設計は大高建築設計事務所が担当し、工事は戸田建設が施工した。