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建設経済新聞社
2018/04/23

【京都】一定規模以下の総合評価に低入 周知期間経て7月公告から実施

 京都府は20日、一定規模以下の府内企業向け総合評価競争入札において、低入札価格調査制度を適用するなどの新たな制度について、一定の周知期間を経て、7月1日以降の入札公告から実施する方針を明らかにした。
 同日開催の30年度第1回総合評価競争入札委員会(委員長・谷口栄一京都大学名誉教授)で府が報告した。
 大石耕造京都府建設交通部理事が「一定規模以下の総合評価について、最低制限価格を併用してきたが、低入札価格調査制度に切り替えていきたい」と冒頭挨拶した後、議事に入った。
 総合評価競争入札のダンピング対策は、現状において「小規模の工事では入札価格が低いほど評価値が高くなり、ダンピングを誘発するため最低制限価格制度によりダンピング入札を無条件で排除」しており、価格その他の条件が最も有利な者が失格となっている恐れがある《…現行制度の図参照》。
 府が7月1日以降の入札公告から実施する方針の新たな制度は、@低入札価格調査制度を適用A調査基準価格未満の評価値算出式を新たに導入B低価格入札による府内企業の下請・府内調達へのしわ寄せを防ぐため、技術評価点の見直し(減点)の3点《…見直し案の図参照》。
 加算点評価項目の改正では、[配置予定技術者(同規模工事の監理技術者または主任技術者としての最高評点)]について、〈65点未満または実績なし…加算点0・0〉を〈65点未満、実績なし または調査基準価格未満の入札を行った者…加算点0・0〉とする。
 [配置予定技術者(技術者の継続教育(CPD))]について、〈15単位未満…加算点0・0〉を〈15単位未満 または調査基準価格未満の入札を行った者…加算点0・0〉とする。
 [府内企業の下請(施工体制における府内企業の下請の状況)]について、〈調査基準価格未満の入札を行った者(申請点)×マイナス1…加算点0〜マイナス3〉を加える。
 [府内資材調達(指定資材の府内調達の状況)]について、〈調査基準価格未満の入札を行った者(申請点)×マイナス1…加算点1・0、マイナス0・5、0・0〉を加える。

1級舗装施工管理資格を加点
 舗装工事における評価項目の見直しも行う方針。
 現状は「専門工事である舗装工事について、土木一式工事とほぼ同じ評価項目になっており、技術力や施工体制における専門性が十分評価できていない」とし、「配置予定技術者、建設機械の保有の両評価項目とも満点取得者が多く、落札にも一定寄与しているが、舗装工事の専門性を評価できていない」と分析。
 見直しでは、舗装専門の技術者資格(1級舗装施工管理技術者資格)を加点対象とする。
 効果として、一般社団法人日本道路建設業協会が認定する舗装工事に特化した資格で、資格保有者が施工管理することで、より高い品質確保に期待ができるとした。府は「府内の資格保有者は400人以上で、府内の入札参加企業30者以上に150人以上の資格保有者が在籍し、特定の企業が優遇されることはない」「国土交通省のほか、大阪府、滋賀県、和歌山県、福井県など他の近畿府県でも評価している」と分析している。
 改正案は@配置予定技術者に関する配点1・8点は据え置きA成績評定の加算点を各点数マイナス0・2点B配置予定技術者が1級舗装施工管理技術者資格を持っていればプラス0・2点。一定の周知後、実施する方針。
 このほか、検討段階として舗装機械保有を加点対象とすることを挙げた。
 効果として、専門機械を保有しており、より確実な施工体制に期待ができるとした。課題は「府内企業の保有機械の種類や状況を調査中」「機械の種類も多く、加点対象とする機械の選定や確認方法を検討している」とした。
 舗装機械の保有状況などを加味し、評価内容や加算点の細分化を今後検討する。