建通新聞社
2018/04/23
【大阪】近畿地整 WTO段階選抜橋梁下部にも拡大
国土交通省近畿地方整備局は、WTO工事の段階的選抜方式の適用工種を拡大するなど、総合評価落札方式の新たな取り組みを決めた。4月19日の2018年度第1回近畿地方整備局総合評価委員会(委員長=大西有三・京都大学名誉教授)で審議・了承。入札手続きに関わる負担軽減や新たな参加者に門戸を広げる施策が目立った。
WTO工事の段階的選抜方式の適用工種は、これまでの「トンネル工事」と「道路改良工事」に加え、「橋梁下部工事」や「橋梁上下部工事」にも拡大。競争参加者が多数想定される案件に適用していく。
段階的選抜方式は、総合評価の技術提案評価型のうち、あらかじめ一定水準以上の技術力や実績などを保有する企業だけに絞り込んでから入札を行う仕組み。近畿地整では技術審査資料に基づく絞り込み(1次審査)で15者程度に絞り込み、その後、詳細な技術提案による技術評価(2次審査)を行っている。
総合評価の新たな取り組みではこの他、WTO工事の段階的選抜方式と本官工事(3億円以上WTO未満)での「同種工事の実績の工事成績評定」について、今後は他地整の実績も評価する(評価対象は港湾空港関係を除く、官庁営繕部、各地整、北海道開発局、内閣府沖縄総合事務局開発建設部での過去15年間の元請けとしての工事成績評定)。
また、業界団体との意見交換でオーバースペックを助長する傾向にあるとされた技術提案テーマに関しては、様式を一部変更。提案を求める工種や範囲の明示、現場条件など技術提案理由の記載、提案範囲の明確化(定量的な記載)、想定される配慮事項(技術提案によるリスク回避など)を記載するようにする。
業務関連の取り組みでは、担い手確保・育成に関わる若手チャレンジ型について、「若手参入型」の対象業務を測量、地質調査業務に拡大する他、「若手育成型」を新設。業務チャレンジ型は、1000万円以下としていた適用範囲を2000万円以下に広げる他、直轄の実績の有無を問わないようにするなどし、地域コンサルタントの活用の拡大と育成を図る。