静岡市は、2018年度を準備期間として、19年度から総合評価方式、制限付き一般競争入札の大幅改正に踏み切る。14年6月の品確法改正内容を反映したもので、技術評価点などを細かく見直すことで品質向上意欲を高めることを目的としている。
これまでの標準T、U型、簡易T〜V型の5型式を、技術提案型、施工能力T型、施工能力U型の3型方式に再編。A等級対象の入札では、総合評価方式以外の価格競争(技術資料提出型)を拡大、B等級対象の発注でも施工能力U型を実施し、企業の工事成績など品質確保の取り組みを評価する。
技術評価点の改正では、従来の企業力重視ではなく、配置技術者の成績を評価、企業の熱意や成績を重視する方向へシフトする。若手技術者の配置などにも加点、担い手の育成姿勢を評価する。また、優良表彰は加点対象とせず名誉表彰に変更、国際標準化機構(ISO)やエコアクション21の取り組みについては登録時の主観点数のみの評価とした。
全体的に通年で加点する企業力的な要素を抑え、配置技術者など入札ごとの対応によって評価点の逆転が可能なシステムと言える。また、土木工事では地域精通度などを評価するなど地区ごとの優位性も盛り込み、それぞれの企業規模に応じた工事を受注しやすい加点方式となっている。
19年度にスタートする評価項目の変更に先立ち、18年度は準備期間として3型式をスタート。19年1月には「総合評価の手引き」を公表して、周知を徹底する。
談合防止や低価格競争の排除などによる品質の向上・確保を目指した総合評価入札は10年に試行され、11年に施行されて以来一定の成果を上げながら、一方で受発注者双方の事務量の増大や受注業者の偏りなどの課題も指摘されてきた。14年の改正では、多様な入札制度の導入と活用により、地元の中小業者による安定受注や若手技術者の育成・確保、災害時の体制の評価などを促進することが盛り込まれている。市では、同改正を反映した総合評価制度の改革に熱意を持って取り組んでいる。
提供:建通新聞社
(2018/4/23)
建通新聞社 静岡支社