千葉市は19日、新清掃工場建設及び運営業務の総合評価落札方式一般競争入札を公告するとともに、併せて要求水準書等を公表した。政府調達協定(WTO)対象案件となるもので、予定価格(消費税を含む)は756億円。入札参加資格に係る質疑応答を経て、5月25日に入札参加資格審査書類の受付を締め切る。その後、6月8日に入札参加資格審査結果を通知し、同20日と21日の現地見学会を経て9月7日に事業提案書の受付を締め切る。落札者の決定は12月上旬を予定している。
同事業は、市が資金を調達し、設計・建設・運営を民間に委託するDBO方式で進めるもので、事業期間は設計・建設期間が事業契約締結日(来年3月を予定)から2026年3月31日まで、運営・維持管理期間が26年4月1日から46年3月31日まで。
応募者は、設計・建設業務及び運営・維持管理業務を実施する予定の複数の企業で構成するグループとし、建設事業者のうちプラントの設計・建設を行う者は、過去10年間に処理方式が「シャフト炉式ガス化溶融方式」または「流動床式ガス化溶融方式」で、施設規模が1炉あたり135t/日以上かつ炉構成が2炉以上、ボイラ・タービン式発電機(発電2000kw以上)を設置した連続運転式一般廃棄物焼却施設の施工実績があり、経審の総合評定値(P)が清掃施設1100点以上であること等。
建築物の設計・建設を行う者は、同市入札参加資格者名簿における建築一式工事の等級がAに格付けされ、経審の総合評定値(P)が建築一式1100点以上で、一般廃棄物処理施設(ボイラ・タービン式発電設備付き)の建築物に係る建設工事を元請として施工した実績を有すること等。
旧清掃工場の解体を行う者は、同建築一式工事の等級がAに格付けされ、経審の総合評定値(P)が建築一式1100点以上で、ダイオキシン類暴露防止対策要綱に基づく廃棄物を対象とした施設の解体工事を元請として施工した実績を有すること等。
運営事業者から施設の運営・維持管理業務を受託する者は、処理方式が「シャフト炉式ガス化溶融方式」または「流動床式ガス化溶融方式」で、施設規模が1炉あたり135t/日以上かつ炉構成が2炉以上、ボイラ・タービン式発電機(発電2000kw以上)を設置した連続運転式一般廃棄物焼却施設の運営・維持管理業務を元請として行った実績を有すること等。
建設場所は、すでに運転を停止した北谷津清掃工場用地(若葉区北谷津町347)で、事業実施区域面積は3万1710u、設計・建設業務対象区域面積(隣接する旧職員寮の共同住宅解体含む)は3万9157u。都市計画区域は市街化調整区域、建ぺい率60%以下、容積率200%以下。
既存の工場等を解体撤去し、焼却灰の軽減が期待できるガス化溶融方式、処理能力585t/24h(195t/24h×3炉)の新清掃工場を建設する計画。ガス化溶融方式のうち、シャフト炉式または流動床式どちらを採用するかは、事業者選定時に決定する。
事業実施区域3万1710uの土地利用計画は、建物・建築物等約1万500u、緑地約9600u、道路(エントランス含む)約6600u、駐車場約3400u、池約1600u。また、煙突は排ガスの拡散(ダウンドラフト)を防ぐため高さ約130mで計画しているほか、工場建屋(管理棟との合棟)は高さ約43m、建築面積約1万500u、延べ約2万3500uで計画。周辺への日照阻害や景観面を考慮して、煙突を北側、プラットホームを南側に配置する。
余熱利用計画については、焼却による熱エネルギーを利用した売電を行い、施設内での利用、若葉いきいきプラザ及び北谷津温水プールへの供給を行う。また、エネルギー回収率21・5%を達成するとともに、事業期間を通じた売電電力量ができる限り多くなるよう努める。電力以外にも、若葉いきいきプラザに温水を、北谷津温水プールには蒸気の供給を行う。
契約後、実施設計を進め、環境影響評価書の公告終了後、21年4月から既設の解体・撤去工事に入り、解体・撤去工事終了後、26年3月の竣工を目指して新清掃工場の建設を進める。
北谷津新清掃工場建設に伴う環境影響評価業務は八千代エンジニヤリング、PFI導入可能性調査は日建技術コンサルタント、施設整備・運営事業アドバイザリー業務は八千代エンジニヤリングがそれぞれ担当している。