県と東町漁業協同組合は、2018年度から水産物供給基盤整備事業・薄井地区に新規着手した。衛生管理型荷さばき所や臨港道路など、一体的な浸水対策等を実施する。総事業費は14億7200万円を見込んでおり、27年度の完了を目指す。
長島町にある薄井漁港は、県内屈指の陸揚量を誇る施設として第3種に指定され、恵まれた海域環境を生かしたブリを主体とした養殖業が盛ん。EUなど27カ国へ輸出に取り組んでおり、輸出金額は推計値で19億円とされ、単一漁協としては日本一のブリの産地。また、同漁港は圏域内約9割の水産物が集約されるため、流通拠点漁港としても重要な役割を担う。
工事計画は、防波護岸(新設)が30m(事業費9000万円)、用地新設が1600u(同1億6800万円)、荷さばき所改良(同3億5000万円)、道路改良は600m(同3000万円)などをそれぞれ予定している。
浮桟橋は、改良1基(同1億2300万円)と撤去・新設1基(同2億3000万円)が計画されており、水深3m岸壁は改良230m(同1億6100万円)と新設140m(同3億2000万円)を整備する。
現況の施設などは、大潮時に浸水するなど、衛生上・安全上の問題が発生している。そのため、岸壁や衛生管理型荷さばき所、臨港道路の一体的な浸水対策を実施する。
また、養殖生け簀の増加に伴い、補修を行うための用地および係留施設が不足していることから、岸壁および用地を新設し、水産物の生産性向上を図る。