国土交通省九州地方整備局は、桜島直轄砂防事業で改定した計画流出土砂量等を踏まえ、砂防堰堤の設置、流路工、導流堤の嵩上げ・補強等の改築を計画している。2016年度事業評価時点では、18年度から26年度までの事業費に約167億円を見込む。18年度は13億5200万円の配分があり、砂防堰堤工を本格化させる。
砂防施設は16年度までに堰堤116基、導流堤53基、渓流保全工40基が完成。各施設の中には施工後数十年が経過したものもあり、繰り返し巨石を含んだ土石流の流下により、護岸等の砂防設備に損傷が生じている。改築を実施することにより機能を確保する。
このほか、有村川や第一、第二古里川、持木川、春松川等の南部河川対策施設は、土石流の越流防止対策で導流堤の設置・嵩上げ・補強等を9カ所、氾濫防止対策となる流路工の嵩上げ・補強等を5カ所、捕捉および流出抑制対策の砂防堰堤や遊砂地の設置・補強等は3カ所で予定している。
18年度予算には、砂防施設改築(砂防堰堤工)で持木川流域が6500万円、春松川流域は3億8500万円、第二古里川流域は2億6400万円、第一古里川流域は4億5500万円、桜島砂防は1億8300万円をそれぞれ盛りこんだ。
なお、整備を進めている長谷川では北岳火口の侵食が拡大し、それに伴う土砂災害の危険が高まっているため、遊砂地工等を整備する。18年度は1億8500万円を計上し渓流保全工を継続、20年度の完了を予定。また、持木川下流砂防施設群では1400万円の配分があり、21年度の完成を目指す。