施工時期の平準化率に関する県内自治体の取り組み状況(2017年度末時点)が明らかになった。県、43市町村とも対応の遅れが目立ち、5段階で最低指標となった割合は、件数ベースで全体の79.5%を占める35自治体、金額ベースでは65.9%の29自治体に上った。現場の休日確保が推進される中、発注の平準化を求める業界の声が数字に表れた格好だ。
平準化率は、コリンズデータを活用して算出。年度の平均稼働件数・金額と閑散期(4〜6月)の平均稼働日数・金額との比率を5段階(a〜e)で指標化した。
県と43市町村の取り組みを件数ベースでみると、最低指標となるe(0.6未満)は県を含めて35自治体。a(0.9以上)とb(0.8以上0.9未満)に該当する自治体はなく、c(0.7以上0.8未満)が薩摩川内と日置の2市、d(0.6以上0.7未満)は出水、指宿、奄美、十島、南大隅、天城、知名の7市町村だった。
金額ベースの平準化率は、件数と比べて全体的に指標が上昇。出水市がaとなったほか、cが7市町村(日置、三島、十島、中種子、天城、知名、与論)、dも7市町(鹿児島、薩摩川内、いちき串木野、南さつま、伊佐、奄美、龍郷)あった。最低指標のeは県を含めて29自治体と目立つものの、件数ベースよりは少なくなっている。
■5カ年で半減目標
積極的な取組みを
九州7県でも、e指標の割合はすべて7割を上回っている状況。件数ベースでは、長崎の86.4%が最も高く、これに宮崎(81.5%)、本県(79.5%)が続いた。金額ベースでは、大分(68.4%)、長崎(68.2%)、宮崎(66.7%)に次いで、本県(65.9%)は4番目となった。
指標をまとめた九州ブロック発注者協議会によると、平準化の問題点に関するアンケートで目立ったのが、「会計年度独立の原則の考え方が強い」「債務負担行為や繰越に対する抵抗」−など。「補助の事務手続きにより、時期が限られる」という意見もあった。
同協議会では、5カ年でe指標の割合を半減させる目標を掲げ、その取り組みをさらに推進していく方針。「週休2日よりも、まずは工事発注の平準化を優先してほしい」といった受注者の声にどこまで応えていけるか、各自治体の積極的な取り組みを求めたい。