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建通新聞社(神奈川)
2018/04/17

【神奈川】川崎市 小田周辺エリアで整備プログラム

 川崎市は、2018年度に南武支線沿線まちづくり方針に基づき小田周辺戦略エリア整備プログラムを作成する。整備プログラムの対象エリアはJR小田栄駅周辺104fで、ほとんどが市の不燃化重点対策地区。方針で示した▽地区主要道路の整備▽建築物の不燃化推進▽延焼遮断帯の形成―などの取り組みについて具体的な実施内容、選定路線、10程度のスケジュールなどを明示する。19年3月までにまとめる。
 南武支線沿線まちづくり方針は、目指すべき30年後の将来像を行政、事業者、市民が共有し、JR南武支線沿線地域の魅力の向上と鉄道軸の強化などを協働で実現していくため今年3月に取りまとめた。今後、改定する都市計画マスタープラン川崎区構想に反映していくことを前提に、対象区域全般のまちづくりの取り組み方針を示すとともに、重点的・戦略的な取り組み箇所を示し、機動的にまちづくりを進める。
 特に、沿線地域の喫緊の課題である密集市街地を抱える小田周辺戦略エリアは、複数施策が連単した短中期的な「戦略的取組」を設定し、推進する。戦略的取組のイメージでは、▽老朽建築物の除却・不燃化建て替え▽延焼遮断帯の形成に向けた空間確保▽生活道路など拡幅促進▽防災空地の創出(老朽建築物の除却による)▽地域交流拠点(公共空間有効活用)▽駅前空間の魅力向上(建築物共同化、駅周辺の交通環境の改善)―などを挙げている。取り組み時期は短期(おおむね5年)と中期(おおむね5〜10年)としている。
 まず、避難路や消防活動に利用する「地区主要道路」は、ミニ延焼遮断帯として重要性が高いことから、幅員6bへ一部拡幅を目指すとともに、長期的には将来の地区計画などの手法による沿道建築物壁面後退規制などの導入を視野に入れて地域住民と検討する。また「地区内生活道路」を拡幅することは避難路や救急車両の進入経路の強化につながり、防災性が向上するため、地区内で優先的に幅員4bの道路空間を確保する必要がある道路を選定し、沿道宅地の塀などの後退に係る工事に対して補助金を交付する。
 都市計画道路・富士見鶴見駅線のについては、広域的な火災延長を遮断する機能としても期待されることから、将来的な整備実現に向けて都市計画の見直しなど必要な検討を進める。
 一方、身近な公園などは今後の改修を行う際に防災機能に配慮した整備を検討し、防災上有効な空間確保に努める。都市計画道路・富士見鶴見駅線の予定地など将来的に公共用地として有益と考えられる箇所では、安定的な広場の新設などを検討する。
 地区内に公園等の公共空間が少ない地域を中心に民間の所有地を期間限定で公共的に有効活用する「防災空地の創出」を推進。民間所有地の駐車場を有事の際は周辺住民が一時的な避難場所として活用する手法など、密集市街地内に現存する量的なオープンスペースの確保に向けた取り組みを進める。
 南部防災センター(川崎区小田7ノ3ノ1)や消防公舎の空地(川崎区小田7ノ3ノ2)、渡田雨水滞水池(多目的広場)などの有効活用も検討する。南部防災センターについては密集市街地の改善や、都市計画道路・富士見鶴見駅線の早期事業化に向けて活用するため、敷地の土地利用方針の作成に取り組む。検討業務を都市環境研究所(東京都文京区)に委託しており、19年3月15日までに検討成果をまとめる予定。

提供:建通新聞社