高知県の岩城孝章副知事は9日、工事が中断している都市計画道路はりまや町一宮線(はりまや工区)の在り方について、高知市の意見を聞くため岡ア誠也市長を訪問し、意見交換した。岡ア市長は「高知市は南北のスムーズな交通網が課題。はりまや橋小学校に通学する児童の安全・安心な通学路を確保するためにも早期の実現をお願いしたい」と述べ、事業の再開を要望した。県では、高知市の意見も踏まえ、今後事業を再開するのか中止するのかの判断を速やかに決定する方針。
同線の整備の在り方については、2月までに学識経験者や地元住民らで構成するまちづくり協議会を5回開催、現行の2車線を4車線に拡幅した上で、並行する新堀川に生息する希少生物や近隣の史跡などにも配慮した道路計画案をまとめ、尾ア知事に提言書を手渡していた。
道路計画案によれば、かるぽーと前交差点からはりまや橋小学校北東角までの延長283b区間を対象に、既存の2車線道路を全幅24bの4車線道路に拡幅、狭い歩道幅も広げる一方、新堀川を覆う駐車場を撤去し、日の当たる水面面積も拡大、新たな干潟を創出し、希少生物の生育環境を再生する。既存の計画より線形を西側に寄せ、横堀公園を水域化するなど、環境に配慮した修正案となっている。
同線のはりまや工区は、希少動植物の環境に配慮する反対意見が相次いだため、工事が中断されている。
提供:建通新聞社