横浜市は泉区にある知的障害者生活介護施設「松風(しょうふう)学園」を改修する。入所者の居住環境を改善するため、居室面積を現行基準に適合させつつ個室化するのが主な目的。また、敷地内に民設民営で新たな入所施設を整備して、改修に伴う定員減を補う。2018年度の上期中に改修の設計業務や新入所施設の基本構想策定業務を外注するなどして検討を進める。改修工事を19〜21年度の3カ年で実施するとともに、新入所施設の整備・運営に当たる事業者(社会福祉法人)を19年度に公募・選定して21年度内に完成・開所させる方針だ。
松風学園の所在地は泉区上飯田町1987。面積約1・9fの敷地に居住棟2棟(A棟、B棟)、管理棟、短期宿泊訓練棟など総延べ床面積5763平方bの建物があり、グラウンドや畑も配している。1983〜84年度に主要な建物が完成した。定員枠は入所94人(男女各47人)、短期入所4人(男女各2人)、生活介護114人(うち通所のみ20人)となっている。
居室を個室化する居住棟はA棟が鉄筋コンクリート造平屋845平方b、B棟が鉄筋コンクリート造2階建て延べ1571平方bで、いずれも83年度の完成。現在の4人部屋を1人部屋×2室に改めるなどして、18歳以上の障害者(加齢児)を積極的に受け入れられるようにする。B棟へのエレベーター設置、トイレ・浴室の改装、建物全般の設備改修・更新、防犯対策の強化も予定している。
所管の健康福祉局が18年度当初予算で基本・実施費3000万円を確保した。建築局で業務委託先を6月ごろまでに選び、具体的な改修内容や工事工程(短期宿泊訓練棟への仮入居、仮設居住棟の設置など)を含めた設計成果を18年度内に得るスケジュールを見込む。19〜21年度の概算工事費を7億2000万円と見積もった。
ただ、居室の個室化によって松風学園の定員が現在よりも減ってしまうため、民設民営の新たな入所施設を整備して補完する。敷地内のグラウンドや畑などから約3000平方bの用地を捻出し、事業者に無償で貸し付けて、延べ床面積約1900平方bの建物(入所32人、短期入所8人、生活介護32人)を建設してもらう計画だ。
健康福祉局が18年度当初予算に基本構想策定(上期)や建築要件の基本調査(下期)、用地測量(下期)の業務委託経費などとして300万円を計上した。基本構想策定業務の成果を基に、下期に事業者選定のための仕様書を作る。
19年度に事業者を公募・選定して基本設計をスタートし、20年度の実施設計と工事着手、19年度の完成・開所を目指す。19〜21年度の経費(整備費補助、事務費など)を6億2784万円と見積もっている。
提供:建通新聞社