日本工業経済新聞社(茨城)
2018/04/10
【茨城】(南)古河駅は概算約106億円/事業化へ基礎長実施
古河市とJR東日本が計画している東北本線「(仮)南古河駅」の設置について、2017年度に実施した基礎調査の結果が公表された。調査によると、概算工事費は106億2000万円を試算し、工事単価の高騰などが要因となり前回調査(08年度)から57億8000万円の増額となった。今後、地元への説明を行い、停止している予定地周辺の土地区画整理事業の再開を図るとともに、新駅設置の事業化を目指していく。
南古河駅は、東北本線の古河駅〜栗橋駅間に計画している新駅。2駅間が7・5qと、同沿線上の他駅間と比較して離れていることから、古河駅側から3・2q、栗橋駅側から4・3qに設置を検討。市の新市建設計画では、地域構造の関連を向上させる先導的プロジェクトの一つに位置付け、新駅の早期実現を目指している。
予定地周辺では、土地区画整理による新市街地の形成を検討しているほか、新駅設置の費用や効果などを調査。17年度にはJR東日本コンサルタンツ梶i東京都豊島区)が基礎調査を実施した。
基礎調査では、25年度までの人口推計から、今後も新駅周囲地域(2q県内)の人口が増加していくとし、37年度までの利用者数を推計。27年度の新駅開業を想定し、周辺開発による人口増を見込み、利用者は27年度で7298人、37年度で8935人を試算している。
見込まれる利用者数から、必要な駅舎の規模を概算。ホーム、駅務室、旅客トイレ、自由通路、階段、エレベーター、エスカレーターなどの標準的な施設を想定し、概算工事費を算出した。
概算工事費では、本体工事として、準備工や線路切り替えの軌道工事に11億3000万円、仮設工、ホーム、駅舎、自由通路などの土木・建築工事に38億6000万円、エレベーターやエスカレーター、駅務室の空調などの機械設備工事に4億3000万円、そのほかの付帯工事などに24億5000万円を試算。また、関連工事で電気設備や鉄道システムなどに27億5000万円とし、総額は106億2000万円に上った。
前回調査の概算工事費は48億4000万円で、工事費が増額した主な理由としては、オリンピック開催などによる工事単価の高騰のほかに、細分化した部材別の単価による積算や、付帯工事などのより具体的な内容を盛り込んだためとした。
なお、新駅設置の費用については、地元負担が基本となるため、財政面での課題などが懸念されている。