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建設新聞社(長崎)
2018/04/11

【佐賀】伊万里市 大型風力発電など10件設定

伊万里市 再生可能エネルギービジョン策定
  電力自給率10%以上の増加を目指す

 伊万里市はこのほど、エネルギー構造の高度化に向けた指針となる「伊万里市再生可能エネルギービジョン」を策定した。計画期間は2018年度から27年度までの10年間。大型風力発電など重点プロジェクト(PJ)10件を設定しており、市の28年度再生可能エネルギー(再エネ)電力自給率10%以上の増加を目指す。
 同ビジョンは市域における再エネの普及と啓発を図るとともに、エネルギー構造の高度化などに向けた地域住民の理解を促進することを目的に策定。取り組みの方向性や目標、向こう10年程度の間に実施すべき具体的で実現可能な方策などを示している。
 同ビジョンでは市が目指す将来像を「伊万里エネルギーモデルで地域の活力があふれ安心で未来へとつながる豊かさのあるまち」と設定。これを実現するため、@エネルギーの自給により安心して健やかに暮らすことができる伊万里A創造的なひとが活躍しまちや産業に活気があふれる伊万里B市、市民、事業者の協働により安全で快適にすごせる伊万里―の3つの基本方針に沿って重点PJ10件を推進する。
 大型風力発電PJは、国見山付近に発電設備などの設置を想定して検討を進める。民間企業を事業実施主体とするが、環境アセスメント(環境影響評価)については市も関与しながら行う。
 今後、市は有識者などと連携し、各PJの実現可能性を測るFS調査を行う(大型風力発電PJを除く)。事業主体を自治体、官民協働、民間のいずれにするかについてもそれぞれ検討する。
 導入目標には、市の28年度再エネ電力自給率(エネルギー電力需要量に対する再エネ電力供給量の割合)10%以上の増加を掲げた。ただし、重点PJの推進によって期待できる増加量は5・1%にとどまるため、目標達成には市民や事業者への普及啓発などによる波及効果としての導入拡大が必要となる。
 重点PJの概要は次の通り。()内は事業化予定年度。
 ▽公共施設BCPPJ(19年度―21年度)=公共施設において再・省・蓄エネ化し、防災時にも活用できる機能を有した設備導入を検討
 ▽再エネ×農業PJ(19年度―21年度)=太陽光発電や蓄電池およびLEDを組み合わせた、キュウリ栽培等の伊万里モデルを検討
 ▽大型風力発電PJ(18年度―27年度)=大型風力発電設備の設置を検討、民間ベースを想定
 ▽沿岸部太陽光+小型風力発電PJ(20年度―24年度)=沿岸部において太陽光と小型風力発電の組み合わせにより、周辺施設や外灯の電力に活用することを検討
 ▽小水力発電PJ(19年度―23年度)=河川や農業用水・水道施設において、あらゆる中小水力発電導入の可能性を検討
 ▽畜産廃棄物活用PJ(22年度―24年度)=伊万里牛から排出される糞尿等を活用した熱電供給設備の導入を検討、19年度―21年度で詳細調査
 ▽木質バイオマスPJ(20年度―24年度)=「木の駅」の開設をはじめとして、木質バイオマス資源の有効活用を検討
 ▽大川内山PJ(20年度―27年度)=木質バイオマスを活用した足湯の提供や、小水力発電、廃熱の有効活用を検討
 ▽市民全体による環境学習PJ(19年度―27年度)=市民団体が実施する従来のイベントに、再エネを組み合わせた環境学習モデルを検討
 ▽「見える化」による市民啓発PJ(19年度―21年度)=市が導入した再エネを、表示板等で「見える化」し、市民への広告・啓発を検討ksrogo