トップページお知らせ >地方ニュース

お知らせ

地方ニュース

建通新聞社四国
2018/04/10

【徳島】徳島県 農林サイエンスゾーン機能強化に着手へ

 徳島県は、県内農林水産3分野(農業・林業・水産業)の成長産業化を加速させるため、国の2017年度補正予算を活用し、もうかる農林水産業の実現に向けたハード・ソフト施策を18年度も展開する。事業費は7億1776万円。このうち3億4600万円を投じて、農業と林業のサイエンスゾーンにおける人材育成と研究開発を推進する拠点を整備するため、各設計を委託、10日付で業務を開始する。7月中には設計を完了させ、上半期中に工事発注し、18年度末までの完成を目指すことにしている。
 対象は農業でブランド産品拡大拠点整備事業と阿和牛生産性・所得向上プロジェクト事業、林業で県産材新用途開発拠点整備事業。ブランド産品拡大拠点整備事業に1億1600万円、阿和牛生産性・所得向上プロジェクト事業に8200万円、県産材新用途開発拠点整備事業に1億4800万円を充てる。
 ブランド産品生産拡大拠点整備では、石井町石井にある農林水産総合技術支援センター農業大学校内に、きのこや果樹の研究施設を整備し、新たな栽培技術を確立し、生産性と品質の向上を目指す。きのこの研究施設は、既設作業所倉庫を一部改修しきのこ栽培研究に特化した実験棟を整備する。
 作業所倉庫は鉄骨造平屋で、改修面積は約170平方b。営繕課の所管で、設計は鎌倉建築設計事務所(吉野川市)が担当。順調なら上半期中に工事を発注する。事業ではこの他、農林水産総合技術支援センター農業大学校の所管で環境制御が可能な果樹用栽培ハウス(フィルムハウス)も増設するため、第1四半期中に一般競争入札する。
 阿波牛生産性・所得向上プロジェクト事業では、上板町泉谷の畜産研究課にある既設牛舎を一部改修し、肉用種雄牛の飼育や精液採取、保管のための施設を整備する。肉質や増体に関する遺伝的能力が高い肉用種雄牛の造成と生産者への精液の供給体制を確立し、肉用牛生産のコスト低減、品質向上と繁殖牛の能力の改良を図る。
 既設牛舎は鉄骨造2階建てだが、1階部分584平方bを内部改修、外壁改修する。所管は営繕課。設計はプリズム建築設計室(上板町)が担当。順調なら上半期中に工事(建築と管に分離する可能性もあり)発注する。
 県産材新用途開発拠点整備事業では、徳島市南庄町5にある木材利用創造センターに、県産材の新たな需要開拓に向けた研究施設(実大強度試験棟)を整備する。
 既設改修となり、木造平屋360平方bの建屋について、屋根改修(断熱)、外壁改修(塗装、一部張り替え)、内部改修(断熱、クレーン改修)、建具改修(窓、扉)の他、試験機設置基礎改修、照明器具のLED化を行う。所管は営繕課で、設計はNSO(徳島市)が担当。工事は上半期中に建築、電気などに分離して発注する見通し。
 農林水産業の成長産業化の加速に関する県の取り組みについては、この他、ソフト面で担い手確保・経営強化支援事業(農業‐3000万円)、中山間地域所得向上支援対策事業(農業‐2251万円)、県産材生産・供給システム推進事業(林業‐2億4924万円)、漁村防災・減災力向上支援事業(水産業‐7000万円)に取り組むことにしている。

提供:建通新聞社