国土交通省四国地方整備局は3月30日、2018年度当初の関係予算概要を明らかにした。直轄、補助・交付金を含め四国全体で前年度当初(3158億円)に比べ4%増となる3278億円を配分。内訳は直轄が1388億円で前年度当初比3%増、補助・交付金1890億円で同比4%増。一般公共事業費の全国平均の伸び率が前年度比2%増を示している中で、国土交通省の4分野の重点化の一つである「国民の安全・安心の確保」などから、四国関係の当初予算配分はこれを上回る伸び率を示した。
高知県には直轄567億円、補助・交付金582億円の計1149億円を配分。前年度より10億円増となった。20年度の開通を目指す高知南国道路に124億円を配分した他、窪川佐賀道路、中村宿毛道路など、四国8の字ネットワークの整備を重点的に進める。
主な事業の配分額を見ると、高知南国道路には124億6500万円を配分、20年度の全線開通に向け橋梁やトンネルの工事を進める。南国安芸道路の高知龍馬空港〜香南のいち間には10億3000万円、同道路の芸西西〜安芸西間には12億6800万円で、調査設計、用地買収、橋梁工事などを進める。窪川佐賀道路には31億4400万円で改良や橋梁工事、中村宿毛道路には24億5000万円で、19年度の平田〜宿毛間の開通を目指し改良、トンネル、橋梁、舗装工事などを進める。この他8の字関連では、安芸道路に4億7000万円、片坂バイパスに3億0200万円、佐賀大方道路に9億5000万円が配分された。
8の字以外の道路事業では、高知西バイパスに15億円で、20年度の全線開通に向け改良や橋梁工事を進める。この他、越知道路2工区に12億円、大方改良に4億1500万円、橘防災に9億8500万円、川北自歩道整備に2億1800万円などが配分された。
また、個別路線の事業化に向け、阿南安芸自動車道の牟岐〜野根で都市計画・環境アセスメントを進めるための調査、四国横断自動車道の宿毛〜内海、阿南安芸自動車道の野根〜安倉、奈半利〜安芸で概略ルート・構造の検討を進める。高知松山自動車道のいの町〜仁淀川町では、県と連携し優先区間や整備方針などの検討を進める。
河川関係では、仁淀川の床上浸水対策特別緊急事業に38億3000万円、日下川で放水路トンネル本体工など、宇治川ではポンプ設備工事を進める。一般河川改修では仁淀川の用石箇所に3億8200万円で用地補償、四万十川の初崎箇所に2億7900万円で築堤と用地補償を進める。多目的ダム建設事業では、横瀬川ダム建設に64億2500万円で、本体工事や付け替え道路工事を引き続き進める。
砂防関係では、奈半利川水系の特定緊急砂防事業に8億4000万円、北川村平鍋の大谷川で砂防堰堤工を継続する。吉野川水系には16億8200万円で、5町村での堰堤工を継続する。海岸事業では、高知海岸南国工区に8億1100万円、耐震・液状化対策を進める。
港湾・空港関係では、高知港海岸に10億9800万円で、湾口と浦戸湾地区で堤防の耐震化、嵩上げなどを推進する。高知港三里地区には14億円で、防波堤整備を継続する。須崎港湾口地区には7億5000万円で、防波堤を粘り強い構造とするための改良を進める。この他、宿毛湾港池島地区に2億7000万円、室津港室津地区に3億2100万円、高知空港に3200万円が配分された。
提供:建通新聞社