国土交通省四国地方整備局は3月30日、2018年度当初の関係予算概要を明らかにした。直轄、補助・交付金を含め四国全体で前年度当初(3158億円)に比べ4%増となる3278億円を配分。内訳は直轄が1388億円で前年度当初比3%増、補助・交付金1890億円で同比4%増。一般公共事業費の全国平均の伸び率が前年度比2%増を示している中で、国土交通省の4分野の重点化の一つである「国民の安全・安心の確保」などから、四国関係の当初予算配分はこれを上回る伸び率を示した。河川関係で新規に直轄で那賀川総合水系環境整備事業(徳島県那賀町長安地区)と、肱川直轄河川改修事業(愛媛県大洲市加世地区)に予算が配分された他、道路関係の直轄で国道33号松山外環状道路インター東線(松山市)、補助事業として▽一般県道徳島東インター線(徳島市)▽一般県道津田インター線(徳島市)▽高松環状道路・高松空港連絡道路「主要地方道円座香南線(香南工区)」(高松市)▽松山市道久米241号線(松山外環状道路インター東線のアクセス道路)に予算がついた。
新規採択された那賀川総合水系環境整備事業(那賀町長安地区)は、四国地整と那賀町が連携しつつ、国土交通省の「かわまちづくり支援制度」を活用して長安口ダム周辺の環境整備を進めるもの。新規に登録された那賀川かわまちづくり計画によると、ダム改造工事で発生した資材ヤードや貯水池仮設構台を活用し、ダム周辺を長安口レイクパークとして環境整備。四国地整が管理用通路、舗装工や転落防止施設工事を進め、那賀町が休憩所設備や植樹工の他、情報発信施設(電光掲示板)、駐車場整備やWiーfi環境整備に取り組む。500万円の事業費がついたことから18年度に四国地整で詳細設計に着手し19年度から21年度の完了を目標に四国地整で基盤整備に着手する。那賀町でも19年度以降にベンチ、植栽や駐車場(区画線)整備などに着手していく。
肱川(加世地区)の直轄河川改修事業には18年度に2300万円の予算が付いた。河口から河川改修を進める中で、惣瀬地区の堤防が完成したため、右岸側加世地区の築堤事業に入る。18年度は用地調査を実施し、19年度以降に用地買収や地元調整を進める。築堤延長は540b。天端の幅7b。
香川県関係予算では直轄で前年度比23%減の97億円、補助は逆に10%増の328億円が配分され、全体425億円、伸び率は横ばいを維持した。
河川関係の直轄で土器川(土器・飯野箇所)に2億5300万円がついた。0・9`で堤防断面拡幅による堤防を強化するため、18年度は用地補償を推進。河川工作物関連応急対策事業でとして土器川潮止堰に1億6000万円がついた。18年度は堰の更新に向けたゲート設備の制作を進める。
道路事業では直轄の国道11号大内白鳥バイパス9・2`に12億円の配分。18年夏ごろの東かがわ市西村から同市松崎間1・2`の暫定2車線での開通に向け、改良工事と舗装工事などを推進する。
この他、▽国道11号豊中観音寺拡幅(三豊市〜観音寺市4・6`)−8億9500万円、調査設計、用地買収と改良工事▽国道32号猪ノ鼻道路(徳島県三好市〜香川県三豊市8・4`)―14億4000万円、20年度の全線開通に向け、18年度に調査設計、改良工事とトンネル工事を推進▽香川11号交差点改良(国分寺町役場北交差点改良)(高松市)−6000万円、改良工事を継続▽国道32号成合大橋(下り)耐震補強(高松市)−橋長233bで耐震補強工事に着手する。
一方、補助事業で主要地方道円座香南線(香南工区)に新規に取り組む。4000万円の予算が配分され、延長5・9`を対象に18年度に調査・設計に着手する。
港湾関係では高松港朝日地区国際物流ターミナル整備に2億1200万円、開発保全航路備讃瀬戸航路の埋没浚渫に4億円が配分された。それぞれ水深12bの航路整備や水深19bの備讃瀬戸北航路の埋没浚渫を実施する。
国営公園等で国営讃岐まんのう公園に7億2900万円が配分された。18年度は公園園内の老朽施設対策に取り組む。飛竜池デッキ改修で老朽化した支柱や踏板の腐食対策として更新する一方、キャンプ場の建築施設のうち構造上危険な施設などを改修する。デッキ床面部分の改修や上水道の機械設備を更新し電気設備改修などに着手する予定。
提供:建通新聞社