施工条件を明確にして工事の手戻りを未然に防ごうと、県土整備部は「設計業務品質確保ガイドライン」を制定した。コンサルタントに対し、新たに「条件明示チェックシート」の作成を求め、工事発注時の基礎資料として活用。着工後の円滑な工事執行につなげる。
16日以降、同部が調達公告する設計業務からガイドラインを運用する。
仮設工事など設計内容が現場にそぐわず、着工後の条件変更は工事の一時中止や工事遅延といった支障を伴うケースがある。同部は「工事の上流側にある設計段階から十分な検討が必要」(技術企画課)と判断した。
ガイドラインでは特記仕様書に「条件明示チェックシート」を取り入れ、受注者のコンサルに成果品として納品を要求する。シートの記入では、受発注者で設計条件や計画条件などの一覧表を一つひとつチェック。発注者と設計者の意図が施工者に明確に伝わるよう努める。
詳細設計業務の道路、橋梁、トンネル、樋門、築堤護岸、砂防堰堤−などが対象。予備設計の場合でもチェックシートを作成し、詳細設計業務に引き継ぐ。
また、業務の積算では、チェックシート作成費用として1工種当たり技師(A)、技師(B)それぞれに0・25人分を上乗せ計上する。
同部技術企画課では「チェックシートは発注者と受注者の双方で整理する業務履行上の確認ツール」として位置付け。工事発注時に施工条件を明示することで、スムーズな工事執行と監督業務に結び付ける。
日刊建設工業新聞