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西日本建設新聞社
2018/04/05

【熊本】阿蘇直轄砂防が始動 150億で堰堤工約25カ所

 阿蘇地域の国直轄砂防事業が動き出す。国土交通省は、カルデラ内の土砂災害の防止・軽減を図るため、砂防堰堤を25カ所程度整備。2027年度までの10カ年で、約150億円を投じる。18年度当初に事業費7億円を予算化し、阿蘇市と南阿蘇村の2地区で堰堤工の建設に取り組む。実施機関は熊本復興事務所。
 国交省は、直轄砂防の事業化に向けた計画段階評価を昨年12月に終え、今年2月に新規採択時評価手続きを受けている。事業区域内の市町村は阿蘇市、高森町、南阿蘇村で、対象面積は約379平方`b。
 整備予定個所は、阿蘇市の黒川上流・下流地区、南阿蘇村の中央火口丘西部地区、高森地区としている。予算化されたのは、黒川下流地区(5億2600万円)と中央火口丘西部地区(1億7400万円)。
 阿蘇地域は、1990年の豪雨災害や2012年7月九州北部豪雨、16年熊本地震など、これまで繰り返し甚大な土砂災害が発生している。対象区域内は斜面傾斜30度以上の切り立ったカルデラ内壁に囲まれ、中央火口丘群は急傾斜。地質は火山岩類や崖錐堆積物が広く分布し、事業区域の面積約37%が土石流危険渓流となっている。
 これまで熊本県が砂防堰堤などにより対策を行ってきたが、熊本地震とその後の大雨で地盤が緩み、災害の危険性が高まっており、抜本的かつ集中的な整備が必要とされている。

提供:西日本建設新聞社
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