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建通新聞社四国
2018/04/03

【徳島】徳島県の入札・契約制度改正および運用改善

 徳島県の2018年度入札・契約制度の改正および運用の改善(原則5月1日から適用)の詳細は次の通り。
◇地域の守り手である建設企業の健全な発展を目指して
【建設企業の適正な評価】
<解体工事にかかる入札制度の見直し>
 @解体工事にかかる独立した「格付け基準」(A〜C)を設定(19年度から運用)。発注上限金額はAが上限額なし、Bが4000万円未満、Cが1500万円未満。完成工事高条件はAが4000万円以上、Bが1500万円以上、Cが1500万円未満。
 A解体工事のJV工事の対象金額を緩和する。現行のおおむね5億円以上からおおむね3億円以上とし、構成員は「建築一式工事」と「解体工事」の組み合わせとする。
 BJV工事を除く解体工事は、原則、解体工事業者(前年度までに県営繕課に指名工事種別を解体工事として指名要望を提出し受理された者)に発注する。
 C企業や配置予定技術者の工事成績を評価せず、「チャレンジ型総合評価」を設計金額3000万円以上5000万円未満の解体工事(一部工事)で新たに試行する。
 D総合評価落札方式の解体工事で解体用重機の保有状況を評価(バックホウおよび解体用重機に取り付ける解体用アタッチメントの圧砕機または切断機の保有を評価)する(19年5月1日以降の入札公告から適用)。
<建築・設備工事の評価項目の見直し(総合評価落札方式)>
 @建築一式工事で「手持ち工事数」評価の対象を拡大。現行の設計金額7000万円以上から3000万円以上でも試行する。手持ち工事数は「入札参加資格審査申請書等の提出期限」において施工中の同種の工事数で、電気と管工事にも適用される。
 A設計金額3000万円以上7000万円未満の建築一式工事で「一抜け方式」を適用する対象エリアを同一敷地から「同一地区割り内」に拡大する。地区割りは、東部<徳島1>、東部<徳島2>、東部<旧鳴門>、東部<吉野川>、南部<阿南・美波・那賀>、西部<三好・美馬>の6地区とし、入札公告日と開札日が同日で入札参加資格要件と工種が同一の工事が対象
 B建築一式、電気工事および管工事で工事成績評価の対象工事を拡大。国等の「工事成績相互利用登録機関」(最高裁判所および各高等裁判所、国立大学法人、独立行政法人国立高等専門学校機構)が発注する「工事成績評定相互利用対象工事」を評価対象に加える。
<「地域貢献度」評価の見直し(総合評価落札方式)>
 @「ボランティア活動の実績等」評価(5点)を19年度から廃止(格付けにおいては引き続き評価)する。
 A「災害時支援協定等」評価(防災協定の締結または活動実績−5点)の「災害時等の緊急要請活動の実績」項目を19年度から廃止(19年度以降は防災協定のみ評価、活動実績は格付けで引き続き評価)する。
 B「災害時の支援活動(県外で発生した大規模災害時の支援活動の実績)」評価を19年度から廃止(19年度以降格付けで評価へ→1回当たり5点とし、過去2年(暦年)で評価)する。
 C地元雇用「地元従業員の雇用率」評価(5点)を18年度から廃止。
<低入札工事に対する減点措置の見直し(総合評価落札方式)>
 低入札の減点措置対象を部局ごと(県土整備部、農林水産部等)から「徳島県発注工事(全部局共通)」に拡大し、「同一の建設工事の種類」に限定する。
<優良下請け工事表彰の対象企業の拡大>
 表彰対象の企業要件を土木一式工事および建築一式工事の格付けがC級以下のものから「B級以下のもの」に拡充する
◇担い手の確保・育成を目指して
【建設企業の働き方改革】
<建設現場の「週休2日の確保」に向けた取り組みの拡大>
 @「余裕のある契約工期」を設定。土木工事における「準備期間」「後片付け期間」「実作業期間」を見直す。準備期間は従来の20日から、道路改良工事「40日」、河川工事「40日」、舗装工事「50日」、砂防地すべり工事「30日」とするなど、工種ごとに見直す。後片付け期間は5日から20日(最低日数)とする。実作業期間は従来の作業日数を8/7(週当たり1日)割増設定する。また、受注者自らが工期内で工事着手日や工期末日を自由に選択できる「工事着手日選択工事」を拡充(17年度20件試行)し、最大準備期間(現行60日以上)は80日以上とする。
 A週休2日を仕様とする「担い手確保モデル工事」を拡大(5月1日以降の指名通知または入札公告から適用予定)。「発注者指定型」に加え、「受注者希望型」(発注者指定型・維持工事・工期等に制約がある工事を除く「全ての工事」)を実施する。また、週休2日に取り組む際の必要経費を計上(5月1日以降の指名通知または入札公告から適用予定)。週休2日等の現場閉所の状況に応じて「労務費、機械経費(賃料)、共通仮設費、現場管理費」の補正を実施(発注者指定型は当初設計で、受注者希望型は設計変更で補正)する。
<委託業務での「ウイークリースタンス」の拡大>
 @「全ての設計業務」(災害関連業務除く)で「ウイークリースタンス」を実施(17年度16件試行)。「ウエンズデー・ホーム」の実施、「マンデー・ノーピリオド」または「フライデー・ノーリクエスト」を受注者間の共有目標に設定する。
 A「測量・地質調査業務」(災害関連業務除く)の一部で「ウイークリースタンス」を目標選択型で試行する。
<仮設トイレ洋式化の拡大(快適トイレの拡大)>
 現行で主任技術者が女性の場合実施していた快適トイレの設置対象工事を簡易型A以上(設計金額1億円以上)も対象とする。仮設トイレ洋式化は引き続き設計金額1000万円以上を対象に実施する。
<社会保険等未加入業者の下請け禁止の拡大>
 社会保険等未加入業者との下請け契約禁止を「二次下請け以下」に拡大する(19年5月1日以降の指名通知または入札公告から適用予定)。
【建設現場の生産性向上】
<コンクリート工の生産性向上>
 @土木工事での一般的な現場打ち鉄筋コンクリート構造物の「スランプ値」は12a(現行8a)を標準とする(7月1日以降の指名通知または入札公告から適用)。
 A鉄筋組み立て作業での省力化・効率化が図れる「機械式鉄筋定着工法」を鉄筋コンクリート構造物の設計業務や土木工事で積極的に採用する(7月1日以降の指名通知または入札公告から適用)。
<ICT活用工事の推進>
 ICT活用工事をICT舗装工の試行要領(2月策定)に基づき「舗装工事」にも適用拡大する。
<現場管理等の効率化の推進>
 インターネットとクラウドサービスを利用した情報共有システム(ASP)を試行活用し、工事施工中の受発注者の業務の効率化を図る。
◇地域の活性化や雇用の促進を目指して
【企業の立場に立った執行】
<工事関係書類の簡素化等>
 @契約後30日以内(工事着手前)としている「施工計画書の提出期限」を柔軟に運用する(当初未確定部分は詳細確定段階で作成し、適時追加提出)。
 A生コンクリートの使用に関する提出書類を削減する(「全国生コンクリート品質管理監査」合格工場選定による品質証明)。
<地質技術者を加えた「三者会議」の実施>
 地質の不確実性が特に高い現場等において、当該工事で調査した「地質技術者」を三者会議(現行は発注者、受注者−元請け、専門工事業者−下請け、設計者)に参画させる。
<土木設計業務等設計変更ガイドラインの策定・運用>
 設計等業務の設計変更にかかる手続きやルールを明確にした「土木設計業務等設計変更ガイドライン」を策定・運用。測量業務、地質調査業務、土木設計業務および調査・計画業務等に適用する。
<入札情報および見積参考資料、工事単価表の充実>
 @指名競争入札の入札情報に「工事概要」を記載。
 A共通仮設費の技術管理費「積上げ項目」について、見積参考資料の充実に努める(共通仮設費率に含まれない土質等試験の積上げ項目の規格仕様等の明確化)。
 B工事単価表に「骨材小型車運搬割増単価(4d以下)」を追加(18年10月から工事単価表に追加記載)する。
◇建設産業への支援
【県内企業の活用推進と負担軽減】
<県内企業の活用推進>
 @県内企業発注率(件数・金額)90%以上を目指す。
 A県内産資材の原則使用を推進する。
 B河川産出物の建設資材としての活用等、県内産出の原材料と技術の優先使用を推進する。
<講習会の実施等による支援>
 @入札等支援について、入札参加に必要な見積もり・総合評価落札方式・施工体制等に関する基礎知識を習得するための講習会を実施する。
 A電子化支援について、電子納品に関する個別相談会や習熟度アップにつながる取り組みを推進する。
 B建設業支援について、建設企業が現場代理人等を適切かつ効果的に配置できるよう「現場代理人および主任技術者等設置マニュアル」を周知。また、建設業BCPの策定支援や認定企業に対するフォローアップを実施する他、建設企業の負担軽減と県や市町村の事務の合理化・効率化を図るため、申請窓口の県への一元化や申請書類の共有化を実施する。

提供:建通新聞社