4月1日から空港運営民営化をスタートした高松空港(高松市香南町1312、渡部哲也社長)は、15年後の将来ビジョンを示した「高松空港マスタープラン」を明らかにした。「アジア・世界とつながる、四国瀬戸内bPの国際空港」をキャッチフレーズに、複数のLCCの拠点化を進め、15年後の2032年に旅客数307万人の達成を目指す。事業開始後の5年間を成長基盤形成期間と位置づけた中期計画(アクションプログラム)では、5年間に空港活性化に総額約57億円、空港機能維持に総額約17億円の計約74億円を投じ、旅客ビルの増築、リニューアルや事務所棟の新設、駐車場利便性向上の他、滑走路、エプロン、電源設備や保有車両などの修繕・更新投資を行う。
空港マスタープランによると、四国瀬戸内bPの国際空港として多様化する航空需要に対応するため、32年までに旅客ビル施設の増築(出発ロビーと保安検査場拡張)や、旅客ビル改修に備えてSPC、高松空港ビル会社、テナントなど空港内事業者向けの2階建て事務所棟を新設する。18年度速やかに着手し、19年度秋ごろまでの完成を見込む。同年度の秋ごろから事務所などの移転により旅客ビル施設の改修がしやすいよう空きスペースを生み出す。
旅客ビルの改修は、現在、保安検査前の一般エリアに店舗が集積しているためクリーンエリア内の商業施設を拡大し既存180平方bから約17・5倍の3150平方bに拡大する。すでにビル2階の国内線搭乗待合室を拡張・リニューアル。国内線到着ロビーには四国の行き先を一望できるインフォメーションマップを設置している。
この他、発着数増加に応じたエプロン拡張や小型機スポットを移設するなどで空港の基本的な施設を大幅に拡張する。また、地元からの要望の強い駐車場整備では需要増に備えて平面拡張と立体化などで駐車場容量を今後拡大する。当面、事前精算機を設置し電子マネーによる決済も導入する。地域住民に愛される空港を目指し、店舗、バーベキュー併設型ミニキャンプ場などのアクティビティ施設を新設する。
設備投資は空港活性化でビル施設増築・空港内改修や事務所棟新設などで45億円を見込む。国から引き継ぐ空港基本施設では5年間で約20億円を機能維持で投資する。
高松空港は運営体制を4月1日から民営化。株主は三菱地所、大成建設、パシフィックコンサルタンツ、シンボルタワー開発、香川県、高松市で構成する。17年9月に空港運営事業のためのSPC(特別目的会社)の高松空港を設立。12月から旅客ビル施設などの運営を開始。18年4月から着陸料の収受、滑走路の管理なども含めた空港全体の一体的な運営を開始する。
提供:建通新聞社