岐阜県は16日、2018年度当初予算案を発表した。一般会計は8129億7000万円で前年度当初比0・2%増となり、6年連続の増額予算とした。一般会計のうち投資的経費は3・6%増の1406億4600万円(普通建設事業費1385億8953万円、災害復旧事業費20億5606万円)。本格展開している「清流の国ぎふ」づくりを一層深化させていくための積極予算を編成した。グリーンスタジアムのリニューアルや御嶽濁河高地トレーニングセンターの整備に、合わせて4億円を計上するなど東京五輪・パラリンピックの合宿誘致に向けた環境整備などが本格化する。注目の関ケ原古戦場ビジターセンターの本体工事にも着手する。
特別会計は前年度当初比140・4%増の3135億8935万円で、うち公営企業会計が1・2%減の87億6261万円。一般会計と特別会計を合わせた予算総額は19・6%増の1兆1265億5935万円とした。23日に開会する県議会本会議定例会に上程する。
岐阜県は三つの柱で政策を展開する。柱ごとの新規事業を見ると、一つ目の柱の「ひとづくりと生産性向上」では、産業分野ごとに抱えている人材育成・確保に向け、拠点となるモノづくり教育プラザや森林総合教育センターなど施設を充実する。そして企業や大学と連携し県内外からの若い人材の確保対策に取り組む。
二つ目の柱の「20年度東京五輪・パラリンピックを見据えたぎふブランドづくりと内外交流戦略」では、世界的な大会を好機と捉え、岐阜県の魅力をアピールするため、競技力向上を図る。高地トレーニングエリアの活用としては、すでに数カ国が合宿所として決めている御嶽濁河高地トレーニングセンターに、海外選手に対応するための宿泊棟を整備する。また、グリーンスタジアムは五輪仕様の人工芝にする。また、関ケ原古戦場ビジターセンターの着工に伴い、古戦場の魅力向上に向けたプロモーションも強化する。
三つ目の柱の「安全・安心・健康づくり」では、障害者の支援として障害者用体育館の福祉友愛アリーナを特別支援学校の体育館と一体で整備する。また、大規模災害に備えた事前防災対策強化として、17年10月に策定した新庁舎基本設計に基づいて、最短22年度の移転を目指し県庁舎の実施設計を進めるとともに、立体駐車場整備に取り掛かる。インフラ整備としては、引き続き東海環状自動車道の西回り区間やICアクセス道路の整備を促進するとともに、幹線道路の整備も進める。
提供:建通新聞社(2018/02/19)