東京都の築地再開発検討会議(座長・近藤誠一元文化庁長官)は3月8日、都庁内で4回目の会合を開き、これまでの会議での委員から出た意見や提案を基に「立地特性・スケール」「魅力・付加価値」「役割・機能」などをテーマとして意見を交換し、再開発の視点を方向付けることを確認した。5月をめどに検討会としての意見を取りまとめる考え。
検討会の冒頭、小池百合子知事が「築地という地域を点ではなく面で捉え、まちづくりを進めていくための手法や進め方を検討してほしい」とあいさつ。市場とその周辺が持つ高いポテンシャルを生かした、まちづくりの視点を取りまとめるよう要請した。
検討会ではこれまで、▽築地の何を残し、何を新しくするのか議論すべき▽江戸、明治維新以降のさまざまな文化を引き継いだ地域であり、そうした観点も重視した再開発を考えるべき▽経済性を考えた高層建物だけでなく、風通しの確保など環境的な視点からも複数の案を議論すべき▽誰のために再開発をするのか、どこに価値を収れんするのか、築地をどんなふうにしていくのかというグランドデザインを考えたほうがよい▽広い土地全部を有効活用するという考えだけでなく、将来に向けて順番に(土地利用を)考えていく、一定量の余地を残すという考えもある―といった意見が出ている。
こうした意見を基に、再開発の方向性を「立地特性・スケール」「アクセス・周辺とのつながり」「広がり・時間軸」「魅力・付加価値」「役割・機能」「環境・防災」のキーワードから探っていくことを確認した上で、新たな築地の姿について意見を交わした。
提供:建通新聞社