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日刊建設工業新聞
2018/03/09

【鳥取】山陰道鳥取西道路/松原地区でも斜面に変状

 山陰道鳥取西道路で昨年9月に重山地区の法面が変状したのに次いで、松原地区でも斜面にクラックが発生していることが分かり、国交省鳥取河川国道事務所は7日、地質専門家による技術検討委員会(委員長・藤村尚鳥取大学名誉教授、委員9人)を開いた。鳥取河川国道事務所によると、松原地区を含む鳥取西IC−浜村鹿野温泉IC間(12・8`)の18年内開通に見直しはないとしている。
 法面にクラックが見つかったのは、吉岡温泉ICから東側700b付近の切り土カ所。北側法面を階段状に切り下げていたところ昨年末、下から2段目の小段に延長60bにわたってクラックが発生した。
 クラックの幅は最大1a、深さ10a。今年2月にボーリング調査4本を実施した結果、クラックからさらに深いところで滑りやすい岩質を確認した。周辺は水を含むと崩れやすい地層で、委員会からは将来を考えた対策が必要との意見が出された。
 斜面を安定させる追加対策には▽アンカー工▽地山の切り直し▽抑止杭−などが想定され、鳥取河川国道は今後アンカー工を中心に対策工を検討する。
 また、対面の南側法面でも今年1月、荷重計3カ所の数値が上昇しているのを確認。3カ所以外に異常は認められておらず、2月から水抜き工に着手しており、委員会は経過観察を了承した。
 鳥取河川国道の姫村幸造副所長は「(クラック対策と現在の改良工事は)工事用道路の切り替えなど工夫して工事を進める。年内開通の見通しは崩していない」と説明。次回4月の委員会に対策工の検討結果を提案する。

重山トンネル概要を報告

 一方、浜村鹿野温泉IC西側の重山地区の法面変状で鳥取河川国道は同日、開削カ所を埋め戻して掘削するトンネルの設計概要を委員会に報告した。標準断面幅11・5b、高さ8・3bのトンネル延長は116b。盛り土7万立方b(高さ20b)と合わせ日本国土開発が施工する。工期は来年2月末。
 法面を安定させるため改良土(ソイルセメント)による押さえ盛り土を先行。トンネルの変状対策として内空断面は、完成後の変状に補強対応できるよう余裕幅を持って確保。同時にトンネル路面下からの変状にも配慮し、掘削直後にインバート(ストラッド)を当てる「早期閉合工法」を採用する。
 施工上、応急対策の既設押さえ盛り土1万立方bを少しずつ除去しながらの埋め戻しがポイント。姫村副所長は「工程を検討して上手く乗り切れれば、トンネルの掘削自体は速い」と見ており、浜村鹿野温泉IC−青谷IC間4・7`の開通を19年夏までの早い時期に前倒ししたい考えを示した。


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