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建設経済新聞社
2018/03/02

【京都】赤れんが周辺まちづくり計画 三角地エリアに道の駅検討 文庫山施設に展望台を設置

 舞鶴市は、赤れんが周辺等まちづくり実施計画案をまとめた。
 計画対象エリアは北吸地区の赤れんがパーク周辺エリア。計画対象エリアは▽赤れんがパーク駐車場▽文部科学省赤れんが3棟エリア▽三角地エリア▽三角地エリア南側▽文庫山▽文庫山北エリア▽赤れんが博物館エリア▽舞鶴東体育館▽舞鶴市役所▽赤れんが2〜5号棟周辺エリア」の10の区域があり、その周辺には海上自衛隊舞鶴基地北吸桟橋や海上自衛隊舞鶴補給所赤れんが3棟及び旧北吸浄水場配水池がある。
 個別計画によると、@赤れんが倉庫の保存と活用で▽重要文化財の赤れんが倉庫群の歴史的・文化的価値を損なわないよう、文化財の適切な修理・修繕を行うとともに、その利活用では保存と活用を両輪で進める▽赤れんが倉庫群は地域住民にも開かれたオープンな広域集客の一大交流拠点として整備▽赤れんが倉庫の民間活力の導入は調査結果を踏まえ、飲食事業、物販事業、展示事業、音楽関連事業、自衛隊関連事業、ホテル等の宿泊事業など、観光拠点を形成する事業の要素を組み込むとともに、地域住民の利用も視点に入れ検討する▽赤れんが倉庫の建物と建物の間の空間に多様な特徴を持った広場を設ける等。
 A(赤れんがパーク内に点在する)広場整備で▽三角地エリアは、赤れんがパークのゲートウェイとして「道の駅」などの交通ターミナル機能の導入を検討するとともに、緑豊かで国道沿道からの視認性が高く、象徴的なエントランス広場を整備、れんがで構成したオブジェなどを配置等▽赤れんが博物館前広場は民間事業者による利活用に柔軟に応じられる広場として整備、整列した並木を配置し規則性の高い静的な広場空間を整備、海に向かって視界が開ける広場とし海への眺望をより印象的にする景観広場とする、待合室と附属する券売機能等を備えた遊覧船の待合所を整備▽2・3号館前広場は赤れんが倉庫の景観を守る、柔らかい芝生に座れる憩いの広場として整備▽文庫山北エリア広場は再整備する海側道路(官舎山北宿線)とボードウォークの景観的環境創りを行い、赤れんがパークの回遊性を高める広場として整備▽5号館前広場はイベント時に市制記念館前駐車場とともに一体利用できる活動広場として整備。
 B文庫山整備で▽文庫山施設は高台という立地のポテンシャルを活かし、海、山、艦艇等を一体的に一望できる貴重な眺望を売りとした観光拠点として民間事業者による整備を検討▽文庫山頂上へのアクセス歩道整備は動線をシンプルにするとともに、多様な景観の変化が楽しめる歩道とし、併せて文庫山斜面の緑の一部を適切に整備▽新たな文庫山施設の全面には赤れんがパークや海上自衛隊北吸桟橋を一望できる展望台を設置。
 C親水エリアの整備で▽海沿いにシンボルロードとして、歩車分離の役割も果たすボードウォークを設ける▽ボードウォーク上のフォトスポット等には展望デッキや東屋を配置して滞留空間を整備。展望デッキは親水性を高めるために海側に張り出す構造とする。展望デッキと東屋はボードウォーク面から高く整備▽デッキは吊り構造等を採用し、海中に構造物を設けない計画とする。
 D道路・歩道・交差点計画で〈赤れんがパーク導入路(北宿山崎線)〉として▽三角地エリア駐車場入口から国道までの区間は国道への出口側二車線とする(三角地エリアの赤れんがパーク編入時に設置)▽赤れんがパーク駐車場及び三角地エリアの将来的な利活用を踏まえ、混雑なく安全で円滑な車両通行を可能にする車線数について検討▽国道27号沿道から赤れんがパーク駐車場に至るまで街路樹を植えるなど、緑豊かなプロムナード(遊歩道)として来訪者を迎え入れるゲート空間を整備▽海上自衛隊北吸桟橋への安全でスムーズな移動を実現するため、車動線との交差が生じない車道西側に歩道を整備、〈三宅団地前交差点と歩道橋〉として▽赤れんがパーク導入路(北宿山崎線)の整備に伴い三宅団地前交差点形状の改良を実施。老朽化の進む既存歩道橋は撤去し、新たな歩道橋を新設、歩道橋の設置箇所は国道の十分な歩道幅員確保や橋長等を考慮しながら決定。新設歩道橋は三角地エリア内の広場や園路に接続し三角地エリア南側や歩道との動線連携を図る、〈海側道路(官舎山北宿線)〉として▽海側道路(官舎山北宿線)を自動車動線の補助ルートとして赤れんがパーク駐車場に接続▽赤れんがパーク駐車場の海沿いに整備するボードウォークとの連続性を図り、歩道は海側に整備。
 E駐車場整備で▽当面の整備目標(三角地エリア、三角地エリア南側を取得前)として既存駐車場を改修整備し駐車台数は合計約600台とする。市役所前駐車場はフラットでオープンな駐車場とする、路線バス乗り場や観光バスの降車場を整備、駐車場と5号棟前広場はフラットに整備▽最終整備目標(三角地エリア、三角地エリア南側を取得後)として三角地エリアと三角地エリア南側を取得後の駐車場整備において、合計約800台の駐車台数を整備。赤れんがパーク駐車場は当面の整備目標の段階で整備した仮設の大型バス駐車スペースを乗用車用車ますに整備、民間事業者からの多面的な土地利用ニーズ等に応える場所として将来のあり方を検討。三角地エリア駐車場は赤れんがパークのメインゲートとなる広場や交通ターミナル機能を確保しつつ、需要が高まる駐車場として整備、三角地エリア南側駐車場(財務省保有地)は主に大型バス用の駐車場として整備。
 F市役所交通動線整備で▽舞鶴市庁舎にふさわしい玄関口(右回りの一方通行で展開できるロータリー周り)を整備▽ロータリー西側は観光バス降車場と駐車ますを整備し、東側に路線バス停車場と駐車ますを整備し、歩車分離を図る▽将来有料化等の可能性も含めて検討。
 G照明計画で▽三角地エリア交差点付近広場は夜間でも視認性が高い照明の演出を行う▽三角地エリア赤れんが倉庫前広場は赤れんが倉庫のライトアップを行う▽ボードウォークに続く西側歩道は歩道面を一方向に照らす低位置方式の照明器具を採用▽ボードウォークはまとまった明かりを演出▽海側交通動線(官舎山北宿線)は赤れんがパーク駐車場と同様に歩道部の照明計画を行う▽三角地エリア駐車場や赤れんがパーク駐車場は隣接する広場やボードウォーク等での夜景と照明環境を阻害しない照明計画を行う等。
 Hサイン計画で▽案内サインは駐車場や広場などの人が行動の起点になる場所や集う場所に配置▽誘導サインは赤れんがパークの回遊性を高める配置計画を行う。
 I防災拠点機能の整備で▽海上自衛隊基地と連携した広域防災拠点としての重要性から対象エリア全体を防災施設として位置付けるとともに、将来的には地域防災計画に位置付ける。
 赤れんが周辺等まちづくり事業は、防衛省のまちづくり支援事業を活用して進め、民間活力の導入等で可能な限り負担の少ない整備を行うとともに、市の財政負担を軽減するため、事業費の平準化に努める。
 事業期間は31年度から概ね10年間とした。赤れんがパーク駐車場は用地取得後、31年度に設計、32年度から舗装工事を予定、文部科学省所管の赤れんが倉庫3棟の耐震改修等は30・31年度で計画をまとめ、協議を経て、33年度から順次設計、34年度から順次工事を予定することなどを事業スケジュール案として示した。
 総事業費は約30億円(用地買収費等含まず)と試算した。
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 同市が29年10月から今年1月にかけて実施した民間活力導入調査(民間事業者ヒアリング、民間事業者へのRFI(RequestForInformation))によると、事業スキームについて民間事業者は「改修・維持管理・運営を一体的に民間に委託し、資金調達も民間が行うPFI(RO)方式が適当」と回答。付帯事業のスキームについては「既存建物の一部又は全部を民間に民間収益施設を設置する『建物の貸付/使用許可』について適切」と回答しており、その貸付期間は「10年からの期間を希望」している。
 設計・建設期間は各事業者が構想する既存施設の活用範囲等によって、1年〜5年程度まで想定期間にばらつきが見られるが、維持管理・運営は10年間からという回答で共通している。
 民間事業者は「赤れんがパーク内の施設を活用して、飲食事業、物販事業、展示事業、音楽関連事業、自衛隊関連事業、宿泊事業等について事業実施可能性がある」と回答。計画対象地内に新たな施設を整備する可能性として「商業施設やカフェ・レストハウス、立体駐車場(時間貸し/市職員用)等が検討可能」と回答している。