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建通新聞社(中部)
2018/02/28

【愛知】名古屋市 建物再編へ基金 初弾は中村区役所

 名古屋市財政局は、市の建築物の再編整備に向けた取り組みの一貫として、2018年度から新たに「アセットマネジメント基金」を設置する。既存建物の集約建て替えなどにより浮いた土地の売却代を基金に積み立て、次の施設再編時に取り崩す仕組みだ。市は18年度当初予算案で、財政調整基金から21億3063万円をアセットマネジ基金に充てるとしている。新基金を用いた事業の初弾は、18年度に事業者公募を予定している中村区役所の移転改築となる見通しだ。
 市は15年度に策定した市設建築物再編整備方針に基づき、市の建物の集約・複合化を進めている。新たに基金を設置する狙いは、施設の再編と、それにより発生する余剰地の売却・貸し付けを一つのサイクルにまとめ、再編整備を加速することだ。
 局は、中村区役所の移転改築を、基金を利用した施設再編のモデル事業と位置付けている。同事業では老朽化した区役所庁舎の移転改築に合わせて、保健センターや土木事務所、市税事務所を合築する予定だ。
 新庁舎が供用を開始する22年度にかけて、跡地活用の方策を検討していく。既設庁舎の所在地は中村区竹橋町36ノ31で、名古屋駅の西側。周辺でリニア名古屋駅の建設に伴う開発も見込まれる中で、跡地の動向が注目されそうだ。敷地面積は2940平方bで、用途地域は商業となっている。建ぺい率は80%、容積率は500%。
 市の再編整備方針では、市の建物の総延べ床面積を12年度時点(1000万平方b)と比べて50年度末時点で10%削減するとしている。今後に多数の建物の老朽化が進行するため、建て替えや集約・複合化の工事量の見通しを立てる必要がある。学校施設については17年度、リフレッシュプランを策定。市営住宅についてもアセットマネジメント実施方針を検討中だ。市ではこれに加えて、その他の一般施設の削減に向けた計画も22年度までに策定したい考えだ。

提供:建通新聞社