高知港海岸景観・利便性等検討会の第4回会合が21日、高知市内で開かれた。会では、種崎千松公園での堤防整備に向け、昨年末の技術検討会で提示された性能照査方針を踏まえ、概略構造断面の平面配置案を検討、景観面や利用面の観点から「盛土+壁式+結節階段」を技術検討会に要望することを決めた。
同会では、昨年12月に開いた前回会合で、構造形式の素案として「盛土式構造案」と「壁式構造案」を組み合わせた6案を選定していた。その後の技術検討会で性能を照査した結果、海浜公園南側の幅狭区間、海浜公園北側の幅広区間とも「盛土+セメント系改良」が選定された。
その結果を受け同会では平面配置の検討に着手。全て盛土構造とするA案は安価だが、海水浴場のスペースが狭まり、景観配慮に課題がある箇所がある。盛土と壁式構造を組み合わせたB案は、砂浜スペースは確保されたが、盛土と壁式の構造が接続する結節点にスロープなどの昇降施設を接続することを考えると、景観配慮に課題がある。
そのため、C案ではB案に加え結節部に階段を設ける配置とした。階段を設置することで異なる構造を接続する違和感が軽減でき、スロープや階段を集約することができる。また眺望・休息機能、海水浴シーズンの監視機能としても活用できる。今後は、このC案を3月14日に開催される技術検討会に要望し、技術的観点からの検討を求めるとした。合わせてA案の技術的観点や、盛土の法尻での波浪・高潮に対する洗掘対策についても意見を求める。
高知港海岸景観・利便性等検討会は、高知工科大学の磯部雅彦学長を座長とする学識経験者などで構成。高知港海岸で進められている地震・津波対策の中で、景観や利便性にも配慮する目的で2016年11月に設置され、地震津波対策技術検討会と連携し検討を進めている。18年度以降は、津波防波堤と接続する範囲での景観・利便性の方向性、既存の日時計・トイレなどの再配置を含めた防潮堤法線案、階段やスロープといった動線機能、眺望機能、壁面や表面のデザインについて検討を進める。
提供:建通新聞社