富山県生コンクリート工業組合(酒井正人理事長)は22日、富山市のホテルで、17年度「経営者技術講演会並びに品質管理監査合格証交付式」を開いた。式では、品質管理監査で適合の判定を受けた35工場の代表者に合格証が手渡された。
この日は、各工場の代表者や監査会議委員ら87人が出席。冒頭、酒井理事長が「新年度の課題について、3点に絞り問題提起したい。1点目は売上高の確保。今年度の出荷量は、1月累計でマイナス12・5%。数量が減れば当然、売上が減少する。2点目は利益の確保。4月から骨材、セメント、混和剤の値上げの動きがある。電気料の値上げが決まり、企業経営が厳しくなると予想される。3点目は生コン業界の置かれている状況。われわれは、独占禁止法の例外的な共同販売が認められている。社会を代表し、公正取引委員会の厳しい目があることを、自覚する年になる。課題解決への唯一の正解はないが、より良い方向を目指したい」とあいさつ。
また、「宮里議長先生には長年、富山県の生コン品質の維持向上にご指導を賜ったが、都合により議長を交代されることになった。今後とも違う立場でご指導をいただきたい」と述べた。
技術講演では、県生コンクリート品質管理監査会議議長の宮里心一金沢工業大学教授が登壇。「11年間の議長を振り返り」と題し、8回にわたる講演の要点をピックアップ。訪問した海外のコンクリート事情、残コン・戻りコンの発生要因、フライアッシュコンクリートの実用化に向けた研究結果などを改めて報告した。最後に宮里氏は、「11年間にわたり、温かいご支援と心強いご協力を頂き、心から感謝を申し上げたい。これからも富山県の生コンが高い品質を維持し、県民に愛される構造物・建物の礎になる生コンを供給して頂くよう期待、祈念したい」と謝辞を述べた。
10年以上監査員を務めた3名を表彰した後、監査統括責任者の安川榮志氏が、今年度の品質管理監査結果の概要を説明し、「不適合の工場はなく、昨年度に比べ減点0が2工場増えた。強度の出すぎでの1点減点が4工場見られたが、全体的には昨年同様改善している傾向が見られた。引き続き監査制度を活用し、品質管理と安定供給にさらなる努力を重ね、安心して使用してもらえる生コンにしていかなければならない」と話した。
交付式では、宮里議長から35工場の代表者にそれぞれ、合格証が授与。退任する宮里議長の功労をたたえ、酒井理事長から感謝状が贈呈された。最後に伊藤始副議長が、「北陸の大学では若い教員が入り、教育環境が充実してきた。宮里先生を先端に北陸の生コン、コンクリートを見守っていきたい」と閉会のあいさつを述べた。引き続き、懇談会も開かれた。