神奈川県は、新たな公共工事設計労務単価と、設計業務委託等技術者単価を3月1日から適用する。国土交通省が2月16日に発表した「3月から適用する公共工事設計労務単価」などに対応したもの。3月1日以降に契約した工事、委託業務のうち、改定前の労務単価で積算したものについては、新労務単価に基づく請負代金額に変更できる特例措置を講じる。また、工事の請負契約で、インフレスライド条項を適用し、賃金の変動に対応する。
新たな公共工事設計労務単価の全国全職種平均は17年3月比で2・8%増。神奈川県の全職種平均は2・4%の増加となる。技術者単価については3%の増。国土交通省は新労務単価の早期適用を各都道府県に要請しており、県もこれを受けて速やかに新労務単価を反映させる。
特例措置は、「平成29年度公共工事設計労務単価」(2017年4月1日)と「平成29年度設計業務委託等技術者単価」(17年4月1日)を適用して積算した契約について、受注者からの請求により新労務単価に基づく請負代金額に変更できるとするもの。協議の請求期限は契約締結後1カ月以内。
変更請負代金額は、算定式「新労務単価及び当初契約時点の物価により積算された設計額×当初契約の落札率」を用いて導き出す。
一方、賃金などの変動に対するインフレスライド条項は、「2月28日以前に契約した工事で、基準日以降の残工事期間が2カ月以上あるもの」「残工事費が1%を超えて変動している工事」に適用する。
残工事の工期が基準日(請求日から14日以内の範囲で定める)から2カ月以上必要であることを留意の上で請求し、協議により変更額を決定し契約を締結する。発注者と受注者によるスライドの適用対象工事の確認時期は、賃金水準の変更がなされた時とする。
「スライド条項」は3種類(全体、単品、インフレ)ある。このうち、インフレスライドはインフレ・デフレで賃金水準や物価水準などが著しく変動した場合の請負代金の変更規定。対象は、「賃金水準の変更がなされた日以降の残工事量に対する資材、労務単価等」としている。
提供:建通新聞社