東京都都市整備局は、都が主体となって進める「泉岳寺駅地区第二種市街地再開発事業」の事業協力者に東急不動産(港区)と鹿島(港区)、京浜急行電鉄(港区)で構成するグループを選定した。都営地下鉄浅草線の駅舎改良に併せ、港区高輪2丁目他の敷地約1・3fに、延べ床面積約11万平方bの規模で再開発施設を新築し、約350戸の共同住宅や事務所、商業施設、駐車場などを配置する計画。3月に基本協定を締結して事業計画の作成を開始し、2018年度中に策定する。19年度に管理処分計画を決定した後、建物の設計や施工、保留床処分を委ねる特定建築者の公募手続きを行う予定。
泉岳寺駅(港区高輪2ノ16ノ34)は現在、ホーム幅が狭く、ラッシュ時の混雑の緩和が求められている。一方、近接する品川駅周辺では、JRによる新駅設置を契機とした国際交流拠点としての大規模なまちづくりが動き始めており、泉岳寺駅の利用者がさらに増えることも見込まれている。
こうした状況を踏まえ、安全確保と利便性向上を目的にホームを拡幅し、駅舎を大規模改良する。ただ、駅は国道15号の下にあり、国道の空間内だけでホームを拡幅することが難しいため、道路の東側に面した民有地を含む市街地整備を、都施行の再開発事業として駅舎整備と一体的に実施する。都が施行区域内の建物や土地などを買収して新たな建物を建設し、保留床を処分する。
今回決定した事業協力者の提案に沿って、再開発施設の計画・仕様、設計・施工に関する技術提案、建築計画に対応した管理運営、公共空地の活用方針などを固め、事業計画を策定する。
事業協力者の公募には、東急不動産を代表とするグループの他、三井不動産レジデンシャル・三菱地所レジデンス・光和ビルディング・日本土地建物で構成するグループが参加。外部有識者による選考委員会で企画提案書を審査した結果、▽鉄道近接・駅改良工事に配慮し、工事特性に合った施工計画による工期短縮・コスト縮減の提案▽将来まで付加価値を持続させる商品企画の提案▽周辺地区と連携した公共空地の活用提案▽自社保有・管理物件による仮移転の提案―などを評価し、東急不動産グループを事業協力者に決めた。
都は18年度に事業計画を決定し、管理処分計画の作成に着手。19年度中に処分計画を決定した上で、建物の設計や施工、保留床処分を委ねる特定建築者の公募選定手続きを始める。24年度の事業完了を目指す。
提供:建通新聞社