概算12億想定 設計含む建設費10億 Is値は奈留が最も低く、先行で建替え 五島市は、老朽化が進む支所庁舎の整備基本計画案を取りまとめた。2016年度に行った耐震診断で、耐震基準を満たさない建物があることが判明。このため、市が対策に乗り出す。対象は玉之浦を除く4支所で、庁舎建て替えや改修などが実施される予定。概算費用の総額は約12億円で、このうち設計費を含む建設工事費は約10億円が想定されている。現庁舎の解体工事も含め、市は現段階で23年度までに全支所の整備完了を目指す。
今回、整備対象となるのは▽富江支所本館▽三井楽支所本館▽岐宿支所本館▽奈留支所本館・増築棟―。市によると、このうち岐宿支所本館と奈留支所本館に関してはIs値が0・3以下で、震度6強規模の地震の震動に対して、倒壊または崩壊する危険性が高いことが判明。このほかIs値が0・3以下の富江支所本館、三井楽支所本館、奈留支所増築棟については、震度6強規模の地震で、倒壊または崩壊の危険性があることが分かった。
富江支所は現在地に公民館と合築して建て替える方針。概算事業費を3億7500万円(設計費含む建設工事費3億0100万円・解体工事費7400万円)と想定。三井楽支所は耐震性のない本館を解体し、耐震性のある増築棟を改修して活用する。このための概算費用を1億5100万円(設計費含む建設工事費1億1600万円・解体工事費3500万円)と見積った。
また、岐宿支所本館に関しては耐震性のない本館を解体し、耐震性のある新館棟を改修して活用。概算事業費は2億8300万円(設計費含む建設工事費2億3500万円・解体工事費4800万円)だ。奈留支所については、旧奈留小学校跡地に単独で建て替える方針が示されており、概算費用は最も多い4億5500万円(設計費含む建設工事費3億7100万円・解体工事費8400万円)。
現時点における4支所合計の概算費用は12億6400万円。内訳は設計費含む建設工事費が10億2300万円。解体工事費が2億4100万円と試算された。なお、金額は支所部分に要する事業費であって、公民館の事業費は含まれていない。今後の庁舎機能の検討や資材等の価格変動により変わる可能性もある。支所庁舎整備の財源は、庁舎整備のために積み立てている基金が活用される。
18年度はいずれの支所も計画調整に充てられる。19年度は奈留支所の基本・実施設計を先行。20年度から21年度まで庁舎建て替えを行う。20年度に富江支所の基本・実施設計に着手。21年度から22年度に庁舎・公民館を合築で建て替える予定。ほか、三井楽支所と岐宿支所に関しては21年度に基本・実施設計を行い、22年度に改修工事が進められる見通しだ。