熊本県は、21日開会の2月定例県議会に提案する一般会計8338億100万円の2018年度当初予算を公表した。蒲島県政3期目の折り返しの年として、基本方針の「熊本復旧・復興4カ年戦略」に基づき、熊本の更なる発展につながる必要不可欠な取り組みに重点化。実効性の高い施策が展開される予算を編成した。熊本地震の経験を踏まえ、防災センターと県央広域本部庁舎を合築して整備するための基本設計費を盛り込んだ。県議会は3月16日まで。【4面に主要事業】
一般会計は、熊本地震関係事業が災害復旧事業等を中心に503億円減少したため、当初予算として過去最大だった前年度に比べ5・9%のマイナス。それでも前年度に次ぐ予算規模となった。
投資的経費は災害復旧費などの減少により、前年度比5・6%(104億円)減の1751億円。一般会計予算の21%を占める。このうち普通建設費の補助事業は980億円。熊本地震に係る街路事業や特別支援学校整備などで、前年度比6・9%(63億円)増加した。単独事業は、災害公営住宅受託事業の減少により前年度比8・3%(35億円)減の380億円。災害復旧事業費も、過年発生河川等補助災害復旧費等の減少で、36・3%(148億円)少ない259億円となった。
建設事業関係では、被災した県庁舎や総合庁舎の復旧費等12億8600万円、熊本都市圏東部地域の復興に向けた熊本高森線の4車線化37億3000万円、大型クルーズ船受け入れのための八代港環境整備26億4700万円円、市町村から受託して実施する災害公営住宅整備26億円などが目を引く。
県庁舎等災害復旧費の中に基本設計費を組んだ県央広域本部庁舎の建て替えは、防災センターとの合築により1万平方b程度の新庁舎建設を想定している。建設場所は県庁新館の北側を検討中。総事業費は100〜130億円程度、工期はおよそ5年を見込んでいる。基本設計等経費として、防災センター2900万円、県央広域本部庁舎2500万円を計上し、それぞれ債務負担行為も設定している。
このほか、大切畑ダム災害復旧費10億4200万円、単県河川等災害関連事業20億4400万円、土砂災害等再度災害防止対策83億4300万円、交通安全施設等整備費(県警分)13億円、特別支援教育環境整備事業39億5300万円―などを予算化した。
熊本地震関連予算は、17年度までに7248億円を計上。18年度も復旧・復興を加速化させるため1226億円を積み上げた。このうち社会・産業インフラの機能回復には489億円を充てる。
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