名古屋市は、久屋大通公園の再生整備を議論する有識者懇談会で、錦通以南の「南エリア」の在り方を話し合うための検討部会を16日、初めて開いた。有識者の他、周辺企業や地元・まちづくり団体、東海テレビなどイベント主催者、商店街などが参加。回遊性の向上やイベントスペースの整備など、南エリアの在り方や必要な公園機能について意見を交わした。
大丸松坂屋や三越、中部日本ビルディング、中日新聞社、パルコなど周辺企業グループからは、車線減少の見直しを求める意見が出た。地下駐車場の多機能化なども提案。また、移転予定の栄バスターミナルと、愛の広場の間で歩行者の動線が分断されているとも指摘した。
エンゼルパークなど地下の企業は、森の地下街と久屋駐車場の間のレベル差を課題視。最北部の希望の広場が孤立しているとして、立体公園制度を活用して周辺とつなげる案を提示。またバスターミナル跡地を、地上と地下をつなぐ空間とする整備イメージも示した。
地元・まちづくり団体は、イベント利用が主体では地域の公園としての性格が薄れると指摘。防災に配慮した公園とすることも重要だとした。
名古屋テレビや東海テレビなどのイベント主催者グループは、イベントを開催するためのインフラ整備が必要だと強調。光の広場は傾斜があり使いづらいとした上で、水平で広い空間の他、電源や水道、排水、アンカーの設置などが望ましいとした。その上で、市内で不足している劇場型ホールの整備を求めた。また、東西道路が沿道・公園の一体感を損なうとした。
意見交換では、東西や南北、上下方向での回遊性が必要との声が出た。また、自動車での来訪者が多い中で、受け入れ体制の在り方が議論の焦点となった。
錦通以北の北・テレビ塔エリアではPark−PFIの事業予定者として三井不動産を代表とする企業グループを選定済みで、20年度にかけて整備を予定。南エリアの整備は東京オリンピック・パラリンピック後に着手する見通しだ。
提供:建通新聞社