建通新聞社(神奈川)
2018/02/15
【神奈川】横須賀市18年度当初予算案 投資的経費155億
横須賀市が2月14日に発表した2018年度当初予算案によると、一般会計の投資的経費は、前年度比2・1%増、78億3324万円増の155億0903万円となった。建設関連の新規事業を見ると、国道357号の整備促進に1207万円を計上した他、市街地再開発事業の支援対象に若松2丁目地区と若松1丁目地区を新たに加え合計8地区とした。また給食センター施設整備関連で1億2623万円を、「(仮称)中央こども園」の整備に向けた地質調査・測量費などとして901万円をそれぞれ計上。ソフト面では、中央・追浜・久里浜エリアを対象とした(仮称)地域振興アクションプラン策定費や、(仮称)市立病院将来構想の策定費などを盛り込んだ。
18年度予算案は一般会計が前年度費0・6%減の1554億4000万円、特別会計が同1%増の1151億2100万円、企業会計が1・6%増の467億4500万円。一般会計投資的経費の内訳は普通建設事業費が153億5903万円、災害復旧費が1億5000万円。廃棄物広域処理施設の建設をはじめ、運動公園の新設・改修など大規模な建設事業の実施で普通建設事業費が78億円増加している。
国道357号整備促進では、八景島〜夏島間の早期開通と、夏島以南の延伸区間の都市計画決定を目指して国などの関係機関との連携を図るため、横須賀地区道路ネットワーク検討会に参加する。南下延伸ルートについては、既存の道路ネットワークと連携して横須賀市の産業発展などに寄与するルートを検討する。
「(仮称)中央こども園」は、上町保育園と鶴が丘保育園を統合の上、子育て支援機能を持つ拠点施設として整備。18年度に地質調査、測量などを実施した上で、19年度に設計・施工事業者を選定する。20年度から基本設計、実施設計、建築工事、土木工事を進め、21年度の完成を目指す。また、病児・病後児童保育を充実させるため、(仮称)中央こども園の整備に併せて新たな施設の設置に向けて検討する。18年度予算としては1786万円を計上した。
中学校完全給食の実施に向けては、給食センターの整備整備などを行う事業者の募集、選定などの準備を進める。具体的には18年度に▽給食センター実施計画などの策定▽給食センター整備等事業者選定の着手▽旧平作小学校地質調査の実施▽中学校校舎に整備する昇降機・荷受室の設置工事の実施設計着手―などを予定。19年度はセンターの整備事業者を決定し、建設予定の建物解体とセンターの設計、中学校校舎に整備する昇降機・荷受け室の整備に着手する。20年にはセンター本体も着工し、21年8月の完全給食開始を予定している。
プロ野球球団の横浜DeNAベースターズ総合練習場の設置を契機として、追浜公園横須賀スタジアムの改修・スタジアムリニューアル構想の策定など施設の整備などによる集客を促進する。最寄り駅から横須賀スタジアムに向かう街並みに統一感を持たせるためのアーケードなどの改修や機運を高めるためのイベント開催など商店街の主体的な取り組みを支援していく。
この他の建設関連事業の概要は次の通り。
▽横須賀港港湾計画の改訂(699万円)=21年度改訂予定の計画について港湾物流などに関する基礎調査を行い10〜15年程度先を見据えた検討を実施▽横須賀港の機能強化(2億0269万円)=新港岸壁防舷材鋼管などの改良▽JR久里浜駅周辺地域の土地利用の推進(6万円)=低利用地、未利用地の利活用に向け土地利用方針を作成し、地権者と情報共有を行いながら協議・検討を行う▽中心市街地の活性化(454万円)=(仮称)横須賀中央エリア再生促進アクションプランを策定、プランに基づく支援制度を活用し、再開発・建て替え事業を促進
▽市内事業者の基地関係からの受注拡大(174万円)=入札制度説明会などの参加者を対象とした受注実績などの調査、米海軍の工事を請け負うために必要な資格「SSHO」取得認定講座への参加支援▽障害者グループホームの新規設立・運営のための支援(6349万円)▽(仮称)市立病院将来構想の策定(1297万円)
▽(新規)学校施設を拠点とした地域コミュニティーの強化(16万円)▽(新規)谷戸の地形を活用した地域コミュニティーの再生(1447万円)▽空き家の除却による宅地流通の促進および耐震化率の向上(730万円)▽公園長寿命化計画の策定(3000万円)=長井海の手公園、三笠公園、くりはま花の国、猿島公園、しょうぶ園、ペリー公園
▽(新規)通学時などの子どもの安全対策(380万円)=くりはま花の国津波避難階段の設置、交差点・路側帯のカラー舗装、スクール・ゾーン電柱巻標識の設置▽(新規)浦賀奉行所跡地活用の検討(26万円)=住友重機械工業から寄付を受けた旧川間社宅敷地(浦賀奉行所跡地)について地元関係者の要望や意見を聞きながら有効な土地利用方針を策定
▽(新規)新軍港資料館などの整備(3872万円)=ルートミュージアムの中核拠点をティボディエ邸を活用して整備、18年度に基本設計・測量・地盤調査、19年度に建築設計・展示設計・建築工事、20年度開館▽史跡東京湾要塞跡の保存と活用(5883万円)=猿島砲台跡と千代ケ崎砲台跡を未来に継承していくための調査・整備、整備基本計画の策定、整備基本設計
▽大規模スポーツ大会などの誘致(1848万円)=横浜F・マリノス練習場誘致に向けた調査・検討、ナショナルトレーニングセンター拡充施設の誘致▽不入斗公園陸上競技場などの改修(2億2441万円)=陸上競技場改修工事(第3種公認)、駐車場拡張工事▽追浜地域のスポーツを核としたまちづくりの推進(2億5556万円)=追浜公園横須賀スタジアム外野人工芝およびナイター照明改修基本設計、追浜地区商店街支援(アーケードなどの改修への助成)、鷹取川利用計画の検討(整備方法、その後の土地利用方法の検討)
▽(新規)長井海の手公園隣接地の活用(2009万円)=隣接地を活用し「官民連携型の基盤整備手法」導入検討▽(新規)西地区海岸周辺における用途地域などの見直し(44万円)=宿泊施設や店舗などの立地が可能となるように地域を選定して都市計画見直し▽1万bプラムナードの活用検討(3万円)=(仮称)1万bプロムナード協議会の開催(4回)▽(新規)堀ノ内駅前通り歩車道再整備(750万円)=測量および地質調査の実施
▽水道管耐震化(24億8275万円)=経年化した配水管配水管を耐震製法を備えた管に更新▽廃棄物広域処理施設の建設(86億1485万円)=19年度完成予定▽下水道施設の再構築(16億4180万円)=上町・下町バイパス管築造工事、下町浄化センター第4系列3池目高度処理施設整備工事▽ファシリティマネジメントの推進(1369万円)=まちづくりの視点などから、施設の更新・再編などを戦略的に取り組んでいくための新たな計画「FM戦略プラン」の策定、施設情報を一元管理し計画的に長寿命化に取り組むための施設保全システムの導入