金沢市都心軸交通環境整備検討委員会(委員長・高山純一金沢大学理工研究域環境デザイン教授)の今年度第2回会合が13日、市役所で開かれ、都心軸における自動車交通量調査や公共交通利用動向調査の結果などが報告された。
委員会は、昨年2月にまとめられた「新しい交通システム導入に関する提言書」を踏まえ、市の第2次交通戦略で目指す公共交通ネットワーク環境の実現に向けた課題などを議論。都心軸における渋滞緩和などの道路環境の改善策や公共交通の利用促進、市民の意識醸成に向けた施策の検討などを進めている。
自動車交通量調査は国道157号(武蔵―片町)および昭和大通り(六枚―元車)で実施。都心軸は1日を通してほぼ交通量は変わらないが、朝・夕のピーク時に渋滞が発生。昭和大通りは朝・夕のピーク時に都心軸以上の交通量がみられるとした。12時間交通量は99年度以降、2万4000台前後でほぼ横ばいにある。
バス走行環境調査では、休日バスレーン時間帯拡大実験でのバスレーン遵守率向上効果はわずかで、バスの走行環境を大きく改善させるまでには至らなかった。バスの遅れは郊外の特定交差点(横川など)で発生。まちなかでは香林坊や武蔵付近での遅れが大きいとしている。
市民を対象にアンケート形式で実施した公共交通利用動向調査の結果によると、現在の自動車利用から公共交通への切り替えが可能とした人は約6割で、切り替えの条件には運行本数など公共交通サービスレベルの向上に関する項目が多く挙がった。
各調査の結果を受けた今後の検討課題については、総量抑制に向けた都心軸の流入抑制策、公共交通利用促進策、バス専用レーンの運用および周知の徹底、バスの遅れ解消に向けた特定交差点の部分改良、次年度以降のモニタリング調査・分析の実施などとした。
市は引き続き公共交通ネットワーク環境の実現に向け、バス走行環境の向上やパーク・アンド・ライドの拡大など公共交通利便性向上策の推進、各調査の継続的なモニタリングと詳細な技術的検討、公共交通の利用促進策に取り組んでいくとしている。