建通新聞社
2018/02/14
【大阪】現場入場規制の徹底を 一歩の会意見交換
「社会保険未加入者を、現場に入場させないことを徹底してほしい」―。2月9日に大阪市内で開かれた関西職人育成一歩の会で、社会保険未加入対策について、発注者、ゼネコン、専門工事業者などがそれぞれの立場から意見を交換した。
社会保険未加入対策の根幹となる法定福利費に関しては、中央建設業審議会が2017年7月、標準契約約款を改正し、請負代金内訳書に法定福利費を明示することを盛り込んだ。ただ、1次下請けの加入率は9割を超えてきたものの、2次以下の加入率が職種によっては2〜3割にとどまっているのが現状だ。
近畿地方整備局の永富栄三建設産業調整官は、社会保険の加入状況や対策の概要、地方自治体への浸透状況を説明。「府県単位ではかなり浸透しているが、市町村単位ではまだまだ温度差がある」とし、今後説明会などを通じて浸透を図る方針を示した。
関西鉄筋工業協同組合の岩田正吾理事長は「企業単位で加入率100%というのは、われわれの中では当たり前の感覚」とした上で、「鉄筋工約5万人のうち、社会保険に加入しているのは半分に満たない約2万3500人。ここを上昇させていくためにも、社会保険未加入者を現場に入場させないことを徹底してほしい」と訴えた。
近畿建設躯体工業協同組合の山本正憲理事長は「組合としても加入推進に向けた独自の啓蒙活動を実施しているが、現状を詳しく把握するためにも、今後アンケート調査などを実施していきたい」と述べた。
ゼネコン側からは、各協力会社の1〜3次業者の加入状況や、法定福利費の払い方などについて報告があった。
同会は、大阪府建団連・建設産業専門団体近畿地区連合会(北浦年一会長)を中心に、大手・地場ゼネコン、国土交通省近畿地方整備局、学識経験者(立命館大学・古阪秀三客員教授)らが参加。定期的に会合を開き、職人の確保・育成、処遇改善について話し合っている。