高知県は1日、新たな管理型最終処分場の建設候補地として、須崎市神田、香南市香我美町上分、佐川町加茂の3カ所を選定した。同日に開いた第6回選定委員会で絞り込み、承認を得た。県は今後、地元自治体や地域住民に選定までの経過を説明、理解を得て、最終の候補地を決める方針。
県によると、前回の委員会で絞り込んだ11カ所を対象に現地踏査と航空レーザー計測による地形判読を実施、さらにそれぞれで概略施設計画案と概算事業費を作成し、評価した。
現地踏査と地形判読の結果、香南市香我美町上分は「調査対象地の中に、みかんを栽培している箇所が確認できたが、これを避けた新たな施設の整備は可能」とし、須崎市神田は「進入道路の新設が必要」としながらも、佐川町加茂を含めた3カ所で「特段の課題はない」とした。3カ所とも概略施設計画案(施設配置)に課題はなく、施設建設費も約44億円〜約46億円と大きな差はない。維持管理費も同額で、現時点で確認できている土地の所有者数も大きな差がないとみており、3カ所を最終処分場の整備に適した候補地として選定した。
高知県初の管理型産業廃棄物最終処分場として、11年10月に開業したエコサイクルセンター(日高村本村)は、想定を超えるスピードで埋め立てが進み、早ければ22年9月にも満杯となる恐れがある。そのため、県では16年度に新たな管理型最終処分場の在り方に関する基本構想を策定、17年度には建設候補地を絞り込むため有識者による委員会を設立し、これまで6回の会合を開いた。
同委員会では、2月中に選定経過などをまとめた報告書を県に提出。これを受け県では、地元との協議を進める。最終候補地の決定時期は未定だが、早ければ18年度の補正予算で設計委託料などを計上する方針。
提供:建通新聞社