名古屋市が堀川と名古屋駅周辺を対象に進めている治水対策が、1月31日付けで国の「100mm/h安心プラン」に登録された。リニア中央新幹線の開業を見据え、ゲリラ豪雨が発生しても浸水などの被害を低減できるように、河川と下水道の整備を連携させるのが柱。プランの登録を受けて市は、五条橋地区を中心とした堀川の護岸改修・河床掘削に2018年度から着手したい考えだ。
プランに登録されると、社会資本整備総合交付金が重点的に配分される他、流域貯留浸透事業の交付要件緩和など、国の支援を受けることができる。今回登録されたのは、市の「水防災意識社会再構築ビジョンに基づく名古屋都心域豪雨対策推進プラン」。リニア中央新幹線の開業を控えて都市機能の集積が進む名駅周辺を対象に、浸水対策を施す。
プランに組み込んだハード整備のうち、今後に着手する対策としては▽堀川の護岸改修・河床掘削▽名駅前ポンプ所の増強▽三階橋ポンプ所の増強―などがある。名古屋駅東側での新規貯留管の整備や広川ポンプ所の建設など、進行中の事業もプランに組み込んだ。この他、雨水流出抑制施設の設置や、透水性舗装・浸透雨水枡の整備などの流域対策、ハザードマップの配布などのソフト対策にも取り組む。
堀川では、これまでの改修エリアよりも上流側を新たに整備箇所に設定。錦橋から名古屋城北側までの延長3`弱を対象に、護岸改修と河床掘削を進める。まずは、錦橋〜幅下橋間の「五条橋地区」について、予算が得られれば18年度から整備に着手したい考えだ。老朽化した護岸を鋼管矢板で打ち換えるとともに、両岸そばに堆積した土砂を中心に掘削していく。
これに先立ち、市緑政土木局は同地区の設計業務をキクチコンサルタント名古屋営業所(名古屋市中区)に委託。歴史的な景観を生かした整備イメージを検討している。
提供:建通新聞社