川崎市が2月6日に発表した2018年度予算案によると、一般会計の投資的経費は、前年度比1%減(11億円減)の978億9500万円。校舎・体育館の再整備、予防保全の推進や(仮称)小杉小学校の整備による増があるものの、スポーツ・文化総合センターの整備完了などにより前年度当初を下回った。主な建設関係事業を見ると、概算事業費440億円の新本庁舎建設事業では3億3884万円を計上。実施設計を完了させ、建築工事の入札手続きに着手する。19年度の着工、22年度の完成を目指す。また、等々力陸上競技場では、英国オリンピック・パラリンピック代表チームの事前キャンプ受け入れに向けたトラック改修などを実施するほか、第2期整備に向けた取り組みを進める。新規事業としては多摩消防署宿河原出張所の改築などを盛り込んだ。
18年度予算案の全体規模は▽一般会計=7366億2818万円(前年度比3・9%増)▽特別会計(13会計)=4938億8525万円(同2・3%減)▽企業会計5会計)=2150億8678万円(同6・6%減)―の総額1兆4456億円(同0・1%増)となっている。
このうち一般会計の投資的経費の内訳は、▽補助=386億9900万円(16・9%減)▽単独=591億9600万円(13・7%増)。
まち全体の耐震化などに向けては6億3964万3000円を計上。通行障害建築物をはじめ特定建築物などの耐震診断や耐震改修工事を助成する他、条例で不燃化を定めた建築物の新築工事、老朽建築物の解体工事などへ助成を行う。
大雨による水害防止施設の整備などには22億3764万円を充てる。五反田川放水路の整備では樋門築造工事と分流部施設整備工事を推進し、浸水対策と合流改善の両方の機能を兼ね備えた大師河原貯留管の整備は18年度に完了させる。
学校施設の環境整備関係には194億9299万円を確保。学校施設長期保全計画計画に基づき校舎30校、体育館19校の改修を実施するとともに、30校でトイレ改修を行う。また、(仮称)小杉小学校新設工事に19年度開校を目指して進め、新川崎地区の小学校新設に向けて取り組む。
地域包括ケアシステム推進ビジョンに基づく取り組みを進めるためには61億2643万円を予算化。介護サービスの基盤整備として特別養護老人ホームを18年度に2カ所完成する他、市立看護短期大学の4年生大学化(22年度開校予定)に向けた計画を策定する。
一方、下水道事業会計は前年度比12・2%減の1036億1158万円、水道事業会計は同1・5%減の509億9198万円。川崎駅以南地域の重要な下水管渠の耐震化を19年度までに完了させるため、整備を推進するとともに、既設給水栓を利用した開設不要型応急給水拠点の整備を実施する。
提供:建通新聞社